妊娠中にたばこを吸う母親から生まれた新生児は、吸わない母親の子に比べ出生時の体重が120グラム以上も少ないという分析結果を山梨大医学部の鈴木孝太准教授らの研究チームが発表した。

 20日に国際学術誌「ジャーナル・オブ・エピデミオロジー」の電子版に掲載された。

 鈴木准教授らは全国の親子10万組を対象に化学物質の影響を継続して調べる環境省の「エコチル調査」のうち、約1万組の結果を分析した。

 喫煙しない女性から生まれた男児の平均体重は3096グラムで、女児は3018グラム。喫煙者が妊娠初期に禁煙した場合は男児では28グラム、女児は40グラム軽く、禁煙せず出産した場合は男児が136グラム、女児は125グラムも少なかった。妊娠前に禁煙していた場合は男児で7グラム軽く、女児は13グラム重い結果が出たが「ほとんど影響がない」(鈴木准教授)と考えられるという。

 たばこに含まれるニコチンなどにより、母体の胎盤や臍帯(さいたい)の血管が細く形成される上、血流も悪くなり、胎児に送られる栄養が足りなくなる可能性が考えられるという。鈴木准教授は「たばこによって小さく生まれた子は2〜3歳までに急に体重が増え、将来の肥満につながりやすい。子どもが欲しいと思ったら、たばこは出来るだけ早くやめたほうがよい」と指摘している。



引用元:
喫煙妊婦の赤ちゃん、体重軽く…血流悪化影響か(読売新聞)