中南米を中心に流行が広がる「ジカ熱」について、ウイルス感染との関連が疑われる小頭症の子どもの3割に目の網膜などの異常が見つかったと、ブラジルなどの研究グループが発表しました。日本の専門家は「小頭症だけでなく、目に後遺症が残るリスクについても調べる必要がある」と指摘しています。

ブラジルのサンパウロ連邦大学などの研究グループは、妊娠中の母親がジカ熱を発症したあと、小頭症と診断された赤ちゃん29人について、目の検査を行いました。その結果、34.5%に当たる10人の赤ちゃんで両目、または片目の組織に異常が見つかったということです。
具体的には外からの光を受け取る「黄斑」と呼ばれる網膜の組織に異常が見つかったり、脳に信号を送る「視神経」に異常が見つかったりしたということです。
ウイルスの問題に詳しい国立感染症研究所の高崎智彦室長は「ジカウイルスに関連した目の後遺症の危険性を認識する必要がある。たとえ小頭症ではなかったとしても、他の組織に異常が出るおそれも考えられるので、検査する態勢が必要だ」と指摘しています。

引用元:
妊娠中にジカ熱 小頭症の子ども3割に目の異常(NHK)