女性の社会進出が活発となり、現在では多くの女性が職場の第一線で活躍している。安倍内閣が経済再生のために掲げる3本の矢の1つである成長戦略の中にも、“女性が輝く日本へ”というテーマが含まれている。

 しかし、昨年、働く女性が妊娠に不利になるとの研究結果が、アメリカ・ハーバード大学のAudrey J Gaskins氏らの研究チームによって報告された。

週に40時間以上の勤務は妊娠を妨げる?
 Gaskins氏らは、2010年から2014年に行われた看護師に対する全国調査の結果を基に、研究論文を発表した。この研究では、妊娠しようと試みている1,739名の女性看護師を対象として労働と妊娠の関係を調査した。

 Gaskins氏らの報告によると、これらの看護師のうち、16%が12カ月以内に妊娠をすることができず、5%は2年後にも妊娠をしていなかったとのことである。そして、1週間に40時間以上働いている女性は、1週間に21〜40時間働いている女性と比べて、妊娠までにかかる期間が20%も増加するということが明らかとなった。

重い荷物の持ち運びも不妊の原因に
 Gaskinsらは、重い荷物を頻繁に持ち上げたり運んだりすることも妊娠までに要する期間を延長させる、とも報告している。

 研究では、25ポンド(11.34kg)以上の荷物を毎日複数回、持ち上げたり運んだりすることで、妊娠までの期間が約50%も延長したことが示された。

 また、研究対象者の44%は過体重あるいは肥満であったが、荷物の持ち運びが妊娠までの期間に与える影響は、過体重・肥満の女性においてより顕著であった。

妊娠しやすい身体を作るために
 研究結果から、週に40時間以上の勤務、そして重い荷物の持ち運びが妊娠するまでの期間を延長させるということが明らかとなった。重労働は身体的負担と時間的制約の2つの面から、女性看護師の妊娠能力に悪影響を及ぼすとGaskins氏は言う。

 また、激しい労働によって疲れた状態で帰宅することが、性行為の頻度を減少させるというシンプルな理由も考えられる。オハイオ州立大学の生殖保健学の専門家であるCourtney Lynch氏は、妊娠を希望するのであれば、少なくとも週に2回以上の性行為を推奨している。

 また、適正体重の維持や適度な運動、ストレス発散、禁煙なども、妊娠の確率を高めるためには効果的である。

 女性の活躍を推進することが、不妊の原因になるとしたらそれは大きな問題であることは言うまでもない。「社会に出て働こう」というだけでなく、その働き方についても目を向けていかなければならない。

参考・引用
参考:REUTERS:Women who work or lift a lot may struggle to get pregnant http://www.reuters.com/article/us-health-fertility-workers-idUSKCN0QJ2A220150814


引用元:
「不妊」をハーバード大が明らかにした 妊娠しにくい女性の「働き方」(CIRCL(サークル)‎ )