蚊が媒介するジカウイルス感染症(ジカ熱)の流行が中南米を中心に約30の国・地域に拡大し、世界的な脅威となっている。

 ブラジルでは、ジカ熱との関連が疑われる小頭症の新生児が多数生まれ、妊婦らに不安が広がっている。世界保健機関(WHO)は「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言し、各国に警戒強化を呼びかけた。

 ◆母の自責

 「私がジカ熱に感染したせいだとしたら、娘に申し訳ない」

 ブラジル北東部レシフェ市内の病院待合室で5日、生後5か月の長女を抱いたカルラ・サントスさん(29)がうつろな表情でつぶやいた。長女のマリアちゃんが前日、先天的に頭が小さく、脳の発育が不十分となる「小頭症」と診断された。妊娠中のジカ熱感染が原因の可能性があると医師に告げられたという。

 同国では、2015年5月頃からジカ熱が流行し、少し遅れるようにして小頭症の報告が増えた。15年10月以降これまでに4000件超(疑い例含む)。10〜14年の年間平均156件と比べ、激増している。



引用元:
小頭症「娘に申し訳ない」…ジカ熱、妊婦ら不安(読売新聞)