生まれたばかりの赤ちゃんは、人の顔をじっと見たり、真似たりするだけだが、6カ月ころになると、表情や視線の意味を理解できるようになる。たとえば、お母さんが笑いながら「ダメ!」と言った時と、少し怒った顔で「ダメ!」と言った時では、赤ちゃんの反応がまったく違う。

 喜怒哀楽の表情は万国共通だ。どのような文化圏で育った赤ちゃんも、成長しながら表情の意味を理解できるようになる。

 誰にも機嫌よく笑いかけていたのに、6カ月ころになると、見慣れない人を見ると泣き出す。人見知りだ。これは、人の顔を1人ひとり見分け、自分との関係を把握できるようになったサインだ。

 人を見分けるだけでなく、人の表情の違いも認識できるようになる。笑い返すと笑い返す、怒った顔をすると泣き出すのは、そのためだ。ただ、怒った表情よりも、赤ちゃんが怖がるのは、何の感情も現していない無表情(停止顔)らしい。停止顔をされると恐いので、「いったいどうしたの?」という怪訝な表情でお母さんに笑い返して、自分から働きかけるようになる。

10カ月ころ人の行動や状況の意味も分かってくる

 赤ちゃんは表情だけでなく、周囲の大人の行動パターンもよく見ている。10カ月ころになれば、大人の行動パターンに合わせて、自分の行動を決めるようになる。

 たとえば、お母さんが「クマさんよ」と、赤ちゃんと目を合わせながら、ゆっくりと視線をずらしてクマさんを見たり、指さしたりすると、赤ちゃんも同じ方向を見て、クマさんを指さしする。視線や指さしの先に、お母さんの意識が向かっていることを赤ちゃんはちゃんと理解しているのだ。

 こんなことも起きる。たとえば、お母さんがお化粧を始めたり、お父さんが戸締まりを確かめたりして、外出の準備に忙しくしていると、赤ちゃんが玄関に先回りして待っていることがある。これは、赤ちゃんが日常よく繰り返される人の行動やできごとを見覚えて、自分も関わろうとしている何よりの現れだ。

 このころになると、お母さんの持ち物、たとえば、ヘアブラシや口紅などに関心が強くなり、自分のおもちゃにしようとする時もある。お母さんのお化粧を見ているので、「自分もしてみたい」「触ってみよう」「これは何だろう?」と好奇心を刺激されているのだ。

 極端ないたずらは困りものだが、赤ちゃんが人の行動や状況を認識できるようになった発達の兆しだ。長い目で見てあげよう!
(文=編集部)


引用元:
赤ちゃんは10カ月ころから大人の表情・行動・状況を読めるようになる(HEALTH PRESS)