執刀した小沼武司講師(右)と手術の概要を説明する新保秀人教授=津市の三重大



 三重大付属病院は4日、冠動脈の移植手術を必要としない独自の手法を使い、重い二つの先天性心疾患を持つ乳児の手術に世界で初めて成功した、と発表した。昨年4月に手術し、術後は良好という。新生児を救う新たな方法として期待されている。

 手術を受けたのは当時生後5カ月の伊勢市の男児。心臓の左心室が小さい「左心低形成症候群」と、左冠動脈が本来の大動脈ではなく酸素が少ない肺動脈から出て十分な酸素を心臓に供給できない「左冠動脈肺動脈起始症」の二つの先天性心疾患だった。治療しないと生後1カ月でほとんどの乳児が死亡するという。

 執刀した心臓血管外科の新保秀人教授と小沼武司講師によると、「左心低形成症候群」の治療は細い大動脈を太くする必要がある。外国では人工膜が使われるが、日本では入手困難だ。


引用元:
心臓病の乳児救う新手術に成功 三重大付属病院(朝日新聞)