インフルエンの流行が本格的になってきました。今年は流行の始まりが例年より遅かったのですが、A型とB型が同時に流行しています。予防接種を受けていても、油断することなく、予防に努めてください。

インフルエンザ流行広がる 全国で注意報レベルに

さて、インフルエンザがはやってくると、発熱の患者さんが急増します。インフルエンザかどうかは、本人の状態や、周囲の流行状況、迅速検査の結果などから総合的に診断します。そして、インフルエンザと診断すると、タミフルなどの抗ウイルス剤を使いますか? それとも使わずに治しますか? と聞きます。

すると、抗ウイルス剤を使わない治療なんてあるんですか? と言われることがたびたびあります。インフルエンザってタミフルやリレンザといった抗ウイルス薬を使わないと治らないと思っていませんか? そんなことはないのですよ。

「以前にタミフルを飲んだらすぐに熱が下がって、元気になったので、今回も使いたいです」なんて思っている方もいるかも知れません。タミフルなどの抗インフルエンザ薬はウイルスが増殖するのをじゃまして重症化を防ぐ薬です。症状を緩和する効果はありません。はっきりと認められている効果は、解熱するまでの期間が半日からせいぜい1日短縮されるという程度です。インフルエンザで最も怖い脳症を防ぐ効果は認められていません。

インフルエンザとはいっても、ふだん健康な人は抗ウイルス剤を使わなくても治るのです。世界で流通しているタミフルの8割を日本が消費しているという事実があります。世界と日本の人口を考えてもどれだけ異常なことかわかりますよね。

つまり、インフルエンザだからといって、タミフルなどを使わなければいけないなんてことはないのです。ですので、薬を使うためには発症から48時間以内でないといけないから急いで受診しました、なんて必要もないわけです。

前回のコラムともかぶるのですが、高熱や倦怠(けんたい)感などインフルエンザが考えられる時には「急いで医療機関を受診」ではなくて、「まずは家で安静」が当たり前になってほしいものです。


引用元:
タミフルを飲まないと治らないと思ってませんか?(朝日新聞)