前編では、赤ちゃんの色彩感覚を養う方法について紹介しました。今回はいよいよ、「赤ちゃんの色彩感覚を鍛えるのが、なぜ大切なのか?」についてお話しします。
© misha_ru - Fotolia.com
色彩感覚は、乳幼児期の経験により鍛えられる
特に芸術家になって欲しいわけでもないのに赤ちゃんに色彩感覚の訓練をさせる必要があるのかと不思議に思う方があるかもしれませんが、正しい色彩感覚を身につけるというのは誰にとっても重要なことです。
実は、色彩感覚は赤ちゃんが生まれながらにして持っている能力と考えられていたのですが、そうではなく、生まれた後の視覚体験(特に乳幼児期の視覚体験)で獲得されるものである、という研究結果が出てきたのです。
この研究によると、乳幼児期にうまく視覚体験ができず色彩障害を持った場合、その後に高度な視覚体験を経験したり、色彩訓練を行ったりしても改善されることはなかったとのことです。乳幼児期の視覚体験が、その後の色彩感覚の発達に重要な影響を及ぼすことを示しています。
※余談ですが、10年以上前までは小学校で色覚検査という検査が視力検査などと一緒に行われていました(現在は廃止になり、実施していません)。この検査では、色盲や色弱といった色覚異常を診断していました。現在、検査をしていないため、色覚異常に気づかないまま進学、就職と進み、直前で進路を断念しないといけないケースが出てきていることが日本眼科医会の調査で明らかになっています。
感覚を発達させることで、物事をきちんと認識できるようになる
生まれてから1年ぐらいをかけて、赤ちゃんは五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を感じ取るための脳の神経回路を発達させます。つまり、この時期は自分の周囲の世界をしっかりと感じ取るための機能をせっせと作っている時期なのです。
物事に対して反応するためには、まず最初に、対象についてきちんと認識することができている必要があります。それが狂っていたのでは、それに対する身体的精神的反応をうまく行うことはできないでしょう。周囲をきちんと認識できなければ、歩くことさえ難しいでしょう。
すべての行動の基礎になるのが五感で感じる刺激になるわけですから、それを感じ取る機能が正常に出来上がってこそ、さらなる知能や言葉といった人間らしさを発達させることができるわけです。
ちなみに、赤ちゃんが意味のある言葉を話し始めるのは誕生から1年ほどたった頃になりますが、それまでに五感をうまく発達させることができなかった子どもは言葉の発達も遅れてしまうというデータもあります。
四季豊かな日本は知能を育てるには絶好の国
日本の自然は豊かで四季の移り変わりがあり、さまざまな色彩に包まれて生きることができる国です。そのため、自然に触れて生きているだけで子どもはたくさんの刺激を受けることができます。実際、知能テストで日本人の子どもの平均がほかの国より高いのはそこに理由があるという研究もあるほどです。
日本の利点を利用して、子どもの五感をしっかりと発達させてあげましょう。
引用元:
赤ちゃんの色彩感覚を鍛えるのが大切なわけ(後編)(excite)