【ジュネーブ=共同】世界保健機関(WHO)は一日、ブラジルなど中南米を中心に拡大し、知的障害を伴うこともある小頭症との関連が疑われているジカ熱について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当すると宣言し、妊娠している女性が感染地域を訪問する場合は注意を払うよう呼び掛けた。

 WHOによる緊急事態宣言は二〇一四年八月の西アフリカでのエボラ出血熱感染について以来。WHOはエボラ熱では対応が後手に回ったと批判された。ブラジルでは世界中から多くの観光客が訪れる今月のカーニバルや八月のリオデジャネイロ五輪を控えており、エボラ熱の教訓と合わせ、速やかな初動対応が迫られた。

 菅義偉(すがよしひで)官房長官は二日の記者会見で、WHOの緊急事態宣言を踏まえ、関係省庁対策会議を同日夕に開くと発表した。

 WHOのチャン事務局長はジュネーブでの記者会見で「(小頭症の急増は)異常な出来事で、(中南米以外の)世界の他の地域にとっても公衆衛生上の脅威となっている」と指摘した。

 ジカ熱は蚊が媒介するジカウイルスに感染して起きる。チャン氏は、妊婦が中南米などに渡航する場合は医師に相談し、長袖の服を着用するなど蚊に刺されないための対応策を取るよう促した。その一方で、過剰な渡航制限などはすべきではないとも勧告した。

 WHOは一日、ジカ熱について専門家による緊急委員会をジュネーブで開催していた。WHOは、ジカ熱と小頭症との関連を示す科学的な証拠はないものの「強く疑われる」としている。

 今回の流行でWHOの専門家は感染者が三百万〜四百万人に達する恐れがあると指摘。チャン氏は先月二十八日にジュネーブで開かれた会合で「感染は爆発的に拡大している」と警告していた。

 ジカ熱は中南米の二十カ国・地域以上に感染が拡大。三〜十二日の潜伏期間を経て頭痛、軽い発熱や関節痛などの症状が出る。今のところ予防薬や特効薬はない。



引用元:
ジカ熱「緊急事態」 妊婦に注意喚起 WHO宣言(東京新聞)