産後間もない母親らを支援する宿泊型施設「産前産後ケアセンター」が28日までに、山梨県笛吹市に開所した。県と県内の全27市町村が産後ケア事業に取り組む全国初の取り組みで、産後4カ月程度までの母子が対象。1泊2食約3万4千円の利用料の約8割を県と市町村が負担する。常駐する助産師が相談に乗り、母親の育児不安を和らげる。

 山梨県が実施した調査で、妊産婦の多くが滞在型の育児支援が必要と回答。県内に産後ケアを扱う助産院などの施設が少ないため、県が主導して専門的な支援施設を新たに整備することにした。

 センターは石和温泉街の一角にある2階建て。個室6室のほか、母親同士が交流する多目的スペースや温泉が出る浴場、足湯も備わる。24時間待機する助産師が授乳や赤ちゃんのお風呂の入れ方を指導したり、栄養バランスが取れた食事を提供したりする。

 宿泊のほか、妊娠中でも利用できる臨床心理士による日帰りカウンセリングや、24時間対応の電話相談もある。運営は学校法人に委託した。

 27日の開所式で後藤斎知事は「人口減少を食い止めるために子育て環境の整備は重要。子育て支援の拠点となることを期待したい」と話した。〔共同〕


引用元:
産後ケアで山梨に宿泊施設 県と市町村が利用料8割負担(日本経済新聞)