『怠けているだけ』『やる気がないだけ』と、思われてしまいやすい高次脳機能障害。その症状をご紹介する。

高次脳機能障害という名前に馴染みのある人は、少ないだろう。

高次脳機能障害とは、事故や脳卒中などの治療後に、以前までできていたことができなくなる『脳の認知機能の障害』のことをいう。
情報の取り入れや分析、過去の情報との比較、言語、運動などのいろいろな情報に対する処理過程の障害が、「高次脳機能障害」と呼ばれるものである。

もちろん治療後に、こうしたことはまれに起こるわけではない為、一見しただけでは分かりづらく、本人の自覚もないことも多いのが特徴としてよくあげられる。

「治療が終了しました」と言われ、日常生活に戻れば、誰しも「もう異常はない」と、ホッとしてしまう為だ。なので、日常生活で起きるモノ忘れなどが、それが高次脳機能障害の症状であっても、周囲からはやる気がない、サボっていると言われてしまうことがある。本人もただウッカリしていただけと思うケースがよく見られる。ちなみに、高次脳機能障害の症状は以下のようになっている。

記憶障害…何度もおなじことを繰り返し質問する。自分が言ったことを忘れている。
注意障害…ボンヤリしていてミスばかりする。気が散りやすい。
遂行機能障害…自分で計画をたてられない。行き当たりばったりの行動をする。
社会的行動障害…些細なことで怒ったり、泣いたりする。場違いな言動や発言をしてしまう。
その他、「自分が障害を持っていることに対する、認識がうまくできない」などの自己認識の低下や、日常の動作がぎこちなくなるなどの失行症。人の顔が判別できない失認症。自分の話したいことを上手く言葉にできない失語症。また、片麻痺、運動障害などが身体障害としてあらわれる。

こうしてズラッと記載してみるだけでも、非常に多くの症状がある。

よくいわれる『認知症との最大の違い』は、突発的な事故などの影響からくるもので、進行性ではないことだろう。

では、実際に高次脳機能障害をもっている方々のお悩みとは、どのような事柄があげられるのだろうか?とくに多いとされているものを、いくつかピックアップしてご紹介する。

高次脳機能障害の症例
・忘れる
・疲れやすい
・空気が読めない
・怒りっぽい
・早起きしても遅刻してしまう

こうして悩みを並べてみると、たしかに、誤解を生みやすい症状であると思う。

ただやる気がないだけ、怠けているだけ、と周囲に言われてしまうことで、本人も「ただ、自分が悪い」と思ってしまい、それが障害であることに気づきにくい。
また、診断、リハビリテーション、生活支援等の手法が確立していないのも辛いところである。

ちなみに、交通事故による高次脳機能障害については、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)が、2001年から交通事故被害として認定するシステムを構築している。
自賠責保険により、交通事故によって生じた高次脳機能障害であると認定されれば、損害賠償の対象として保険金が支払われることとなっている。

引用元:
「怠けているだけ」と思われやすい高次脳機能障害とは。【imedi】