前回、慢性疲労症候群について紹介しました。今回気になるデータの発表がありました。 合わせて考えてみたいと思います。
今回厚生労働省が初めて「慢性疲労症候群(以下 CFS)」について、患者251人(平均42歳)を対象に、2014年度調査を実施した結果。
常に介助が必要で終日寝たきり
しばしば介助が必要で日中の50%以上寝たきり
との回答が30%以上にのぼりました。半年以上続く症状としては、これらが多かったようです。
疲労回復しない睡眠障害
広範囲な筋肉痛などの痛み
研究者によると、国内のCFS患者は24万〜38万人と推測されるとのこと、しかし詳しい発症要因は不明で、確立した治療法も見つかっていないといいます。
患者さんらでつくるNPO法人の、とある理事長さんは「外見からはつらさが伝わらず、怠けているだけだと誤解を受けやすい」と指摘。患者調査でも、困ったこととして、社会的孤立、病気への無理解を挙げる人が目立ちます。
また、このCFSを“筋痛性脳脊髄炎”など、病態を表す名前に変更するように国に要請しているとのこと。ちなみにこのNPO法人も「筋痛性脳脊髄炎の会」とされています。
海外では米国医学研究会が昨年、「SEID」(全身性労作不耐性疾患)を提案したのですが、異論もあり、国際的な統一見解がないのも現状です。
CFSは、「患者数が18万人未満で、客観的な診断基準がある」との要件を満たさないため、国内の指定難病ではなく、医療費助成の対象外となっています。
厚労省は「身体障害者手帳の取得や障害年金の受給も受けられる」としているが、患者調査では身体障害者手帳をもつ患者さんは14%、障害年金を受給している患者は34%にとどまると言います。
関西福祉科学大学の倉垣教授は、重症者が多い実態を重視。
現在は米疾患対策センターの基準などを使い、患者さんの症状に基に診断されているのですが、“客観性がない”という理由で問題視される声も上がっており、自身が代表を務める厚労省研究班では、今春にも新たな診断基準をまとめる意向だとのことです。
同省の担当者は「患者が病院を転々とする事態を解消し、症状に対応した治療法の研究が進む」と期待。
倉垣教授は「国がきちんと診療できる医療機関を全国に整備する必要がある」と指摘しています。
ある患者さんは、同居する母親の年金と、障害者手帳を取得した上で、自身の障害年金計約20万円が毎月の収入源で、今までの仕事の収入で貯めた貯金を切り崩しながら何とか生活をしている方もおられます。
また、軽症の場合でも1年後に症状が改善したのは約27%、3年後に改善したのは約33%という結果も出ており、治療は長期化しているのも現状です。
中等症でも通常の生活が困難でほとんどの人が働けない。何らかの形での経済支援は絶対に必要
NPO法人の理事長は訴えます。
いつ自分自身が、また周りの人が発症するか判らない、この病気。偏見をもたず、見つめ合っていくことが必要かと思います。
※ 参考文献 京都新聞2015年11月24日 医療・健康 より
引用元:
慢性疲労症候群について 今回はデータと共に考えましょう【imedi】