日本でも超有名な『サンタ・マリア・ノヴェッラ』。香水メーカーとして認識されている方も多いかもしれませんが、実はれっきとした世界最古の薬局なのです。フィレンツェを始めとするイタリアでは、”香り”が持つ治癒力が人々の間に広く浸透しています。少し覗いてみましょう。

イタリアでは、中世から受け継がれてきた”薬草”を中心とした「マイルドな施術」が、今でも人々の支持を集めています。

特にフィレンツェは”香りの街”と言われ、世界最古の薬局、サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局の前身となった『ドミニコ修道院』は、ルネサンス開花に大きく寄与した大富豪メディチ家の豊かな財政を背景に、世界に広がった『香りと癒し』の文化の原点です。

イタリアの薬局の区分け

ファルマチア(FARMACIA)
ライセンス制で処方箋専用薬局。または19世紀のドイツ人医師、サミュエル・ハーネマンによって始められた代替医療である”ホメオパシー”のためのレメディも取り扱っています。
基本的に”リチェッタ”と呼ばれる処方箋なしでは、薬の多くを買うことはできません。緑色の十字のマークが目印です。

エルボリステリア(HERBORISTERIE)
ライセンス制。フィレンツェのみならず、ヨーロッパの人々の暮らしに根ざしている、薬草専門店です。
植物の知識が豊富な薬剤師が個々人に合わせてハーブティーの調合をしてくれたり、自然派基礎化粧品、エッセンシャルオイルなどを扱っています。

パラファルマチア(PARAFARMACIA)
もともとイタリアにはなかったタイプのお店で、日本のドラッグストアのようなチェーン店です。
いろいろな薬を置いていますが、処方箋の受付とハーブティーの調合はしてもらえません。スーパーマーケットでも買える処方箋なしの薬があります。下のマークの付いている薬は処方箋なしで買えるようですよ。

ということで…日本の薬局と同じ感覚で気軽に入ると、多くの調合前のオイルや、ハーブなどの種類が、巨大な棚に区分けされて整然と並べられ、何人もの白衣の薬剤師がカウンターに並んでいる様に圧倒されること間違いなしでしょう。

なぜこのようなことになるのかというと、イタリアでは、薬屋を開くためのライセンス料が非常に高く、薬屋を開くには大金が必要なため、いきおい先祖代々続いている由緒あるファルマチアが多い傾向にあるのです。
薬価ですが、イタリアの保険に加入していて処方箋も持っている場合、ほとんどの薬が無料です。しかも、お金を出せば、処方箋なしに購入できてしまう地域もあるようです。

世界最古の薬局。サンタ・マリア・ノヴェッラの歴史
『サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局(Farmaceutica di Santa Maria Novella S.p.A.)』は現存する世界最古のファルマチアと言われており、約800年前の1221年、フィレンツェに移住してきたドミニコ会の修道院 (Santa Maria Fra Le Vigne = “ブドウ畑の中の聖母マリア”) が、栽培した薬草を調合して薬を作ったのが始まりとされています。

この修道院はその後、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会へと発展し、フィレンツェで最も重要な教会のひとつとなりました。

僧院内にある薬局では、薬草、花などの研究が行われ、独自に薬剤、軟膏、鎮痛剤、香料などが調合され、1612年には「一般薬局」として認可されて営業を開始し、これが現在の薬局の原点となりました。

現在では、ファルマチアと言うよりも、ハーブとアロマ製品の専門店となっていますが、もちろん開業当時のレシピ、処方を守っていて、今なお世界からの顧客であふれています。

歴史に名高い香水の数々。
16世紀にはメディチ家からフランス王家へ嫁いだカテリーナ・ディ・メディチが、サンタ・マリア・ノヴェッラで、彼女のために特別に調合された香水「アックア・デッラ・レジーナ(Acqua della Regina)」を嫁入り道具として持参しました。

この香りは「王妃の水」と讚えられ、「オーデコロン」の語源になっています。

もちろん400年以上経った今も同じ香水が手に入ります(※ amazonでも購入可)
さらに、中世ヨーロッパで大流行した”黒死病”はフィレンツェでも猛威をふるい、人口の70%が犠牲となりました。
「黒死病患者のための消毒剤」として調合された”アクア・ディ・ローズ(ローズウォーター)”なども代表的なものです。

サンタ・マリア・ノヴェッラのちょっとスゴイ内部
このファルマチアは元修道院あとに設置されており、天井にはフレスコ画が描かれ、壁には歴代の主の肖像画が並び、内部は広くて薬局博物館のようになっており、美しい中庭、昔の薬草調合室、礼拝堂、博物館などを見て回ることができます。
博物館には、17世紀に書かれた処方箋や研究書物、薬を調合する時につかった実験器具など大変興味深く、長い歴史を感じ取れます。

なんといっても、こんなに「いい香り」がする博物館は世界広しといえどもあまりないはず。
それもそのはず、すべての製品の調合に使用されている薬草は、このファルマチアの中庭で育てられているのです。

フィレンツェで、オススメの「ファルマチア」
最近お勧めなのが「サンティッシマ・アンヌンツィアータ薬局(armacia Santissima Annunziata)」です。
サンタ・マリア・ノヴェッラよりも歴史は浅いですが、1561年開業の老舗薬局で、徐々に日本のTVや雑誌にも取り上げられて始めています。

日本支店はまだありませんが、今後ブレイクする予感。フィレンツェの観光の中心、「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオモ)」近くで立地も良いですし、入り組んだ路地が多いフェレンツェの街でもすぐに見つかるでしょう。

各商品には英語での説明書きがありますし、シェービングクリームなどの男性用化粧品も豊富ですので、ご主人や彼氏へのプレゼントにもお勧めです。

また、年配の方には嬉しいアンチエイジング基礎化粧品も豊富。なんといってもどこに置いておいても”絵になる”シックなパッケージには、流石の芸術性を感じます。地図

ちなみに、筆者自身も昨年イタリアに行きましたが、このファルマチアで石鹸を買いました。
コンサルタント業務方式なので、個々の肌に合わせたスキンケアやサプリメントの相談に乗ってもらえて、本当に助かりましたよ!皆さんも、イタリアに行かれた際にはぜひ日本の薬局との違いを感じ取って頂けたらな…と思います。

『参照』

サンタ・マリア・ノヴェッラ
Farmacia SS.Annunziata
Italy’s Santa Maria Novella: The ancient perfume store you’ve never heard of-edition.cnn.com
覗いてみると結構楽しいイタリアの薬局-finding1045.blogspot.jp



引用元:
世界最古の薬局があるフィレンツェ、その香りと癒しの文化【imedi】