子宮頸(けい)がん予防ワクチン接種や子宮頸がん検診の公費助成が行き届き、子宮頸がんへの理解が深まってきました。その一方で、日本では若い女性の子宮頸がんが急増していますが、欧米の子宮頸がん検診受診率が70%以上であるのに対し、日本では20%程度ととても低いのが現状です。自治体が費用を負担してくれる子宮頸がん検診は「2年に1回」です。実際は、どのくらいの間隔で検診を受けたらいいのでしょうか?

 子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルスというウイルスが子宮頸部に感染するからです。このウイルスは性交渉によって感染し、女性の約80%が一生に一度は感染するほど、とてもありふれたウイルスです。そのため、性交経験のある男女の半数以上に検出され、性行動のあるすべての女性が子宮頸がんにかかる可能性を持っています。

 子宮頸部の細胞にヒトパピローマウイルスが感染すると異型細胞となりますが、99%以上はウイルスが自然に体内から排除され、正常化します(2013年10月28日付本欄参照)。年単位でウイルスが子宮頸部に居座るとがん化しますが、その確率はウイルス感染の0.15%です。子宮頚がんになるまでに3、4年から10年と言われています。

 検診結果が「異常なし」であれば、理論上は次回の検診は3、4年後でいいということになります。ただ、検査結果は必ずしも100%正しいと限らず、一定の確率で「偽陰性」が出ます。本当は異型細胞の疑いがあるのに正常と判定されます。逆に「偽陽性」は本当は正常であるにもかかわらず、異型細胞と判定されることです。つまり不正確な結果が出ることがあるため、1年に1回の検診を受けるのが理想的と言えます。

 ヒトパピローマウイルスに感染しておらず、細胞診が「異常なし」という結果だった場合は、前がん状態の異型細胞はないと言えますから、次の検診は3、4年後で大丈夫なわけです。ヒトパピローマウイルスの検査は自費(6000〜1万円)になりますが、毎年子宮頸がん検診を受けるのは煩雑だという方にはメリットがあります。

 子宮頸がん予防ワクチンを受けた場合でも、検診を受ける必要があります。子宮頸がん予防ワクチンが、すべてのタイプのヒトパピローマウイルスの感染を予防するわけではありません。ワクチンで感染を防げないタイプのヒトパピローマウイルスが原因の子宮頸がんがあるからです。

 子宮頸がん検診の目的は、がんになる前の前がん病変、つまり異型細胞の段階で発見し、子宮頸がんにかかるのを予防することです。

 子宮頸がん検診では必ず子宮、卵巣や骨盤内の異常を超音波で診てもらうことも大切です。40〜50歳以降に多く見られる子宮体がんでは、子宮内膜の厚みが増してくることが多いので、超音波検査は精密検査が必要かどうかを判断する有用な検査の一つです。治療が困難ながんの代表である卵巣がん・卵管がんも早期発見の第一歩は超音波検査です。年1回は婦人科検診を受けましょう。


引用元:
がんになる前に発見(岐阜新聞WEB)