妊婦さんは自分が食べたものが赤ちゃんに影響します。でも日米では食べていいもの・いけないものの認識にやや違いがあるようです。そこをチェックすることで、私たちが意識していなかった食品の注意点も確認できそうです。
ハーバード大学リサーチフェローの大西睦子医師に、食やダイエットなど身近な健康をテーマにした最新学術論文を分かりやすく解説してもらいます。論文翻訳のサポートとリード部の執筆は、ロハス・メディカル専任編集委員の堀米香奈子が担当します。
妊娠中や妊娠を予定している方は、食べ物や飲み物を選ぶとき、とても慎重になりますよね。ところが禁煙や禁酒はよく耳にするものの、具体的にどんな食品が危険なのか、よくわからないことが多いと思います。
先日、ボストン日本人マタニティサポートグループの方々に、「妊娠期」と「産後&離乳食期」の栄養に関する講演の司会をさせて頂きました。講演されたのは、ハーバード大学で肥満の研究をされている、管理栄養士の佐藤佳瑞智博士です。米国での栄養指導に日本と異なる点があり、会場の妊婦さんや産後のママさ んが普段から不安や疑問に感じていることを議論し合う素晴らしい会となりました。簡単にまとめさせていただきます。
佐藤佳瑞智博士は「妊娠期」の栄養に関して、以下のような話をしました。
1.妊娠初期:体重は増やす必要はないが、この時期は赤ちゃんの細胞増殖が盛んなため、必要な栄養素に注意する必要がある。特に、葉酸不足とビタミンAの過剰摂取は要注意。また細胞の大切な構成材料である良質なタンパク質、良質な脂質の摂取を心がける。
2.妊娠中期:主食は増やさず主菜や副菜をもう一品増やす。鉄分を摂って、貧血予防。食物繊維で便秘の予防を。
3.妊娠末期:主食も増やす。出産・授乳に備えてお母さんのスタミナアップをする。牛乳や乳製品などで、タンパク質とカルシウムを摂る。
さらに、佐藤佳瑞智博士は、妊娠中に摂取すべきではない食品を説明しました。
1.生もの(肉、魚、卵):食中毒や寄生虫の危険がある。中心温度が65度以上になるように調理。(ほとんどの食中毒細菌は65度以上で死滅するが、ノロウイルスなどの場合75度以上)
3.発酵食品・カビ系チーズ
4.コールドカット(ハムなどの薄切り加工肉)、デリ食品(惣菜):米国では、調理過程が清潔でなかったり、保存管理が適切でなかったりすることが多い。
5.脂身の多い大型の魚:水銀(※1)が多く含まれている。
さて、特に問題になるのは、魚です。遠洋漁業で取れるマグロ等の大型の魚については、輸出先が米国か日本かの違いだけですから、水銀量に違いはないはずですよね。
にもかかわらず、特定の魚種について米国では「食べるな」と明確に禁止し、食べてもいい魚の許容摂取量も厳しいのに対し、日本では「ある程度以上は食べない方が良いが、禁止するものではない」というゆるい指導になっています。その理由として、米国ではもともと魚介類を食べる量・頻度が少ないのと (禁止してもさほど影響がない)、回避できるリスクは徹底的に回避するというリスク管理の考え方の違いがあるのではないでしょうか。
米国のリストでは、正直途方に暮れるくらいの多くの魚が禁止・ハイリスク・要注意とされていて、日本から来られた妊婦さんたちは悩むところだと思います。魚食のメリットをより重視しているのが日本だと思います。
引用元:
妊婦が食べてはいけないもの(楽天WOMAN)