体外受精した受精卵を検査し、異常がないものを子宮に移す「着床前診断」を札幌医大病院で受けた道内在住の40代前半の女性が12月中旬、出産したことが分かった。札医大病院は道内で唯一、2013年に日本産科婦人科学会(日産婦)から着床前診断の臨床研究施設として認可されており、出産に至ったケースは初めて。

 着床前診断は、流産を防ぐなどの効果が期待されている医療技術。日産婦は実施対象について、夫婦のいずれかあるいは両方に染色体の異常があって流産を繰り返したり、重い遺伝性の病気があったりするケースに限定している。

 札医大病院はこれまでに計7組の夫婦について着床前診断を行うよう日産婦に申請し、承認された。今回出産に成功したのは、このうちの1組の女性。夫の染色体に問題があり、精子に異常が生じやすく、13年1月に同病院で治療を始めるまで計5回の流産・死産を経験していた。

 札医大病院は、体外受精した夫婦の受精卵から一部の細胞を取り出し、その染色体に異常がなければ子宮に戻す着床前診断を2回行った。1回目は流産したが、2回目で出産した。母子共に健康で既に退院している。



引用元:
着床前診断で道内初出産 40代、2回目に成功 札医大(どうしんウェブ)