早期乳がんでは診断後の迅速な手術・化学療法で生存率上昇
早期乳がん患者では、外科手術および術後の化学療法を実施する時期が早いほど生存率が高くなることが、「JAMA Oncology」オンライン版に12月10日掲載された2件の研究から明らかになった。


画像提供HealthDay第一の研究では、米フォックスチェイス癌センター(フィラデルフィア)のRichard Bleicher氏が率いる研究グループが、1992〜2009年に乳がんと診断された66歳以上の女性9万4,500人強のデータを分析した。その結果、診断から手術までの期間が30日延びるごとに、原因を問わない死亡リスクが9%上昇することがわかった。この関連はステージIおよびIIの早期乳がん患者においてのみ統計学的に有意であった。

2003〜2005年に乳がんと診断された18歳以上の米国女性11万5,700人強のデータを対象に実施した2回目の解析でも、同様の結果が得られた。他のいくつかの因子について調整してもなお、手術までの期間と死亡リスクの間に関連がみられた。研究グループによると、手術が大幅に遅延することはまれであり、乳がんの診断後90日を超えてから手術を受けた患者は、初回の解析では1.2%、2回目の解析では1.5%だったという。

第二の研究では、米テキサス大学MDアンダーソンがんセンター(ヒューストン)のMariana Chavez-MacGregor氏らが、ステージI〜IIIの浸潤性乳がんと診断された患者約2万5,000人(平均53歳)の転帰を追跡。手術から術後の化学療法を開始するまでの期間による生存率への影響を調べた。手術から化学療法の開始までの期間の中央値は43日だった。

術後31〜90日に化学療法を開始した患者の転帰には差がみられなかったが、91日以上経過してから化学療法を開始した女性は、すぐに開始した女性に比べて全死亡率が34%高く、乳がんに関連する死亡リスクは27%高かった。「今回の解析結果から、手術後91日以内または診断後120日以内に化学療法を開始することが勧められる」と、Chavez-MacGregor氏らは述べている。

乳がん治療の専門家らは、治療開始の時期が患者の予後に重要であることに同意している。治療を適切なタイミングで確実に実施するためには、放射線科医、乳腺外科医、放射線腫瘍医、腫瘍内科医が連携したチームでのアプローチが必要であり、また、ナースナビゲーターやソーシャルワーカーなどの支援スタッフも、治療の遅れにつながる障壁を特定し、その問題に対処するために重要だと、専門家らは指摘している。(HealthDay News 2015年12月10日)



引用元:
早期乳がん、外科手術と術後の化学療法の実施時期が早いほど生存率高く(医療NEWS)