和歌山県立医科大学付属病院は、胎児の染色体疾患の出生前診断や遺伝性の乳がん・卵巣がんの検査などを取り扱う「遺伝外来」を来年1月に開設する。乳がん・卵巣がんの検査は県内初といい、病院は「遺伝性疾患の患者や遺伝に不安を抱えている方のための医療。必要に応じて検査し、適切なカウンセリングを行っていきたい」としている。

 遺伝医学をめぐっては、発症に遺伝子がかかわっている疾患の原因解明や診断方法の研究が進められ、染色体数に異常があるダウン症など一部の疾患について、検査で一定の診断ができるようになった。

 同病院によると、染色体疾患の出生前診断では、母親の血液からDNAを検査する手法を開始し、染色体異常がある確率を調べる。陽性であれば、羊水から染色体異常の有無を調べる「羊水検査」も検討する。

 また、遺伝性の乳がん・卵巣がんでは、家系内でがん発症に関係する遺伝子変異が見つかっている人などを対象に、特定の遺伝子の変異を血液検査。変異が認められた場合は、がん予防や発症後の手術方法などを話し合うとしている。

 いずれのケースでも、まず遺伝性であるか判断した上で、遺伝が疑われる場合はカウンセリングを通して情報を提供し、検査の意義やリスクなどを理解してもらった上で本人や家族の意思決定を補助するとしている。



引用元:
染色体異常を…出生前診断や乳がん「遺伝外来」和歌山県立医大に(産経ニュース‎)