最近は出産ギリギリまで出社して頑張る働き女子も増えていますが、仕事上のストレスなどで抗うつ剤、SSRIを服用している妊婦さんは要注意の報告です。
「自閉症児出産リスク」に、新たな原因を究明
SSRIと呼ばれる抗うつ剤を妊娠中に飲むと、自閉症児が生まれる確率はほとんど90%近くにのぼることが判明しました。英mirror紙が伝えています。
妊娠3ヶ月目に『選択的セロトニン再取り込み阻害薬(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors, SSRI)』を服用する妊婦の子どもが、7歳までに”自閉症”と診断される率は、妊娠7か月目から服用した場合と比較して、約2倍でした。
この研究は145,456人の妊婦と、10歳までの子どもを対象に、カナダのケベックで行われました。割合にして、10人に1人の妊婦が抗鬱剤を飲んでいました。
検証をおこなったアニック・ビアード教授は「自閉症児が生まれる原因についてはまだ不明な点が多いが、これまでの研究結果では遺伝子と環境がなんらかの影響を与えていることがわかっていた。今回、我々の行った研究では、妊娠の第2、第3期に抗鬱剤(特にいわゆるSSRIとして知られている抗鬱剤)を摂取することが、7歳までに子どもが自閉症と診断されるリスクを高めることが明らかになった」と、語っています。
英国のナショナルヘルスサービス(NHS)は、妊娠3ヶ月目までの妊婦の服用にたいし、流産・先天性心疾患を抱えるリスクがあるとして「どうしてもメリットが、リスクを上回る場合以外」服用を推奨していません。
”絶対過敏期”、”相対過敏期”はかなり危ない
妊婦による服薬の影響は、大まかに5つの時期に分けられます。
0〜3週目(約1ヶ月)…受精卵はこの時期はまだ子宮に潜り込みんでいないため、母体が服用する薬が、胎児に影響することは少ない期間です。
4〜7週目(約2ヶ月)…この時期は、胎児の身体の重要器官が分化してくる時期であり、母体が服用する薬の影響が最も大きいとされる”絶対過敏期”です。また、この時期は流産も最も多いとされています(早期流産)ので、母体に負担をかけるとリスクが高まりやすい時期でもあります。
8〜11週目(約3ヶ月)…胎児は人間の形を形成し、心音が聞こえ始めます。母体の服用の影響については、4〜7週目の”絶対過敏期”と比較して”相対過敏期”と呼ばれているように、リスク自体は下がるものの依然として注意を要します。
12〜15週目(約4ヶ月)…母体の服用の影響については、8〜11週目の”相対過敏期”よりもさらにリスクが下がり、”比較過敏期”となります。主治医と相談の上、必要な服薬があれば最低限であれば摂取してもよいと言えます。
16〜誕生まで(約5〜10ヶ月)…母体の体調は安定期してきます。しかし、胎児の身体がほぼ出来上がっているために、母体に服用された薬品の成分の多くは胎盤を通して直接胎児に伝わりますので”潜在過敏期”と呼ばれています。
モントリオール大学の科学者によりますと、妊娠の最も重要な期間である1~3か月目にSSRIが子宮内部で胎児の脳の発達に影響を及ぼすというのは「非常にもっともらしい」とのこと。
SSRIによる合併症として、流産や、肺中の血圧が急激に上がることによる呼吸困難が引き起こす心臓病や肺高血圧症なども指摘しています。
「妊娠後期」だからといって油断はできない
厚生労働省医薬食品局は「使用上の注意改訂情報」として、平成22年4月に上の表にある3種類の「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項への改訂を加えました。
ジェイゾロフト、デプロメール…「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が 危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。」と改訂する。
パキシル…上記の改訂にさらに追記し「本剤投与中に妊娠が判明した場合には,投与継続が治療上妥当と判断される場合以外は,投与を中止するか,代替治療を実施すること」と改訂する。
改訂の根拠としては、妊娠末期にこれらを服用した婦人が出産した新生児において,入院期間の延長,呼吸補助,経管栄養を必要とする離脱症状と同様の症状が出産直後にあらわれたという報告。
さらに、臨床所見として呼吸窮迫,チアノーゼ,無呼吸,発作,体温調節障害,哺乳障害,嘔吐,低血糖症,筋緊張低下,筋緊張亢進,反射亢進,振戦,ぴくつき,易刺激性,持続性の泣きが報告されていることです。
くわえて、妊娠後期に母体に使用されたSSRIで10~30%の新生児に 呼吸器症が出るとしています。これは”新生児薬物離脱症候群”、”新生児適応不全”と呼ばれています。
(参照)
Taking antidepressants during pregnancy could ‘increase autism risk by almost 90%’-mirror.co.uk
Selective serotonin reuptake inhibitors (SSRIs) – Cautions -nhs.uk
重篤副作用疾患別対応マニュアル 新生児薬物離脱症候群(PDFファイル・厚生労働省)
厚生労働省医薬食品局・「使用上の注意改訂情報」
(平成22年4月27日指示分)-株式会社医薬ジャーナル社
わかりやすい妊娠週数一覧表-pixy.cx
引用元:
「妊婦の服薬リスク」妊娠初期のSSRI摂取が、新生児の自閉症診断率をほぼ90%に