発祥は米国ですが、昨今国内でも広がりをみせているという『怒らない心理術』アンガーマネジメントをご説明します。
話題の『アンガーマネジメント』とは、1970年代に米国で始められたイライラや、怒りを単に抑えつけるのではなく、その要因などを客観的に把握し、衝動的な発露をなくしていく『怒りと上手につきあう感情コントロール術』のことです。
勘違いされやすいのが、アンガーマネジメントは「絶対に怒ってはいけません」という意味合いではありません。
怒ってもいいのですが、怒りにふりまわされて損することがないようコントロールしていこうという心理技術です。
アンガーマネジメント・テクニックの一例
プレイロール…歴史上の偉人や、好きなキャラクターを演じきることで、理想の正確に近づいていこうとする体質改善テクニック。
24時間アクトカーム…起こりっぽくない人を丸一日演じてみる方法。「24時間怒らない」と決め、どんなに腹ただしいことがあっても、言葉遣い、表情、仕草を穏やかに保つことで、周りの変化を体験し、「怒らない自分」のメリットを実感するための対処術。
アンガーログ(日記)…怒りの感情を文字化することで、自分の怒りを視覚化するテクニック。書くだけでも気持ちの整理がつくし、書きつづけることで、自分の怒りのパターンを客観的に知ることができる。
「怒り」の原因は、自分がもっている大義・価値観
「〜すべき、〜するのは常識だ」といった、自分の中にある大義・価値観が、怒りに起因します。
人は、なにか出来事に遭遇したとき、それを自分の中にある価値観に照らし合わせ、それが「正しいか否か」を判断します。そして、その結果が許せないものだと「怒り」が生まれます。
例え、同じ出来事に遭遇しても、それに対して、怒りを表す人・そうでない人がいるのは、価値観がそれぞれ違うためです。
なので、『怒り』は、出来事自体から生まれているのではなく、それに対する判断基準=価値観が生んでいるといっていいでしょう。
自分の価値観を知ることで、「どうしてその事柄に腹を立てるのか?」が、わかるようになっていきます。
価値観を知るための「アンガーログ(日記)」
自分の価値観を知って、その歪みを修正していくために。アンガーマネジメントではまず「怒りを感じたらアンガーログをつける」ことを勧めています。
アンガー・ログとは、怒りに関する日記帳。具体的には、以下の8項目を記していきます。
怒った日時
怒った場所
怒るきっかけとなった出来事
その時の自分の言動
相手にしてほしかったこと
怒ることで起こった結果
その時の自分の感情
10段階での怒りの強さのレベル
これらを一定期間あけて見返すことで、「自分が怒る頻度」や、「どういうきっかけで怒りやすいのか」などのパターンを客観的に知ることができます。
価値観の歪みを正す「リフレーミング」
起こってしまった状況に対する見方・考え方を変えるのがリフレーミングです。
一方の価値観だけが悪いのではなく、「こういう考え方もある」と、あくまで中立な考え方をするための方法。
そうすることで、どちらの意見も受け入れられ、怒りを感じることも少なくなっていきます。
テニスのフェデラー選手や錦織圭さんも学んで、結果を出したアンガーマネジメント
アンガーマネジメントは、ことメンタルが勝敗を決するスポーツの世界でも重要視されています。
それは、テニス界の名コーチ:マイケル・チャン氏が2011年、スイス・バーゼルでの大会決勝戦で、錦織選手が、フェデラー選手に完敗したことに対するコメントです。
(錦織選手に)
「フェデラー戦で、君は大きなミスをした。それは準決勝の後に、君が『憧れのフェデラー選手と決勝で当たるなんてワクワクします』と言ったことだ」
「コート外で選手を尊敬するのはいい。けれども、戦う前から満足してしまってはいけない」コートに入ったら、「お前は邪魔な存在なんだ」、そう思わなければいけない」
「つまり、過去の実績なんて 試合には関係ないという強い気持ちが必要なんだ。君は相手が誰であろうと、勝つことだけを考えるのだ」
そのチャン氏のコメントあってか、今般の全米オープンでは、錦織選手のプレーに、ランキング上の選手にも臆するところが全く見られませんでした。
これは、自身の感情のコントロールが上手くなったという一言に尽きると考えられます。
つまり、これこそがアンガーマネジメントのイズム。
「不安や悔しさなどのネガティブな感情を、パワーやエンジンにしよう」という方法なのです。
アンガーマネジメントは、虐待やいじめ・パワハラ問題にも効果的だとされ、国内でも昨今ますます広がりをみせています。セミナーや講習会もやっているので、気になる方は参加してみては。
引用元:
『怒らない心理術』虐待・パワハラ・いじめ抑制につながるアンガーマネジメントとは【imedi】