最近良く目にするようになった『プラセボ効果』とはなんなのか?ニセ薬の有効的な使い方例とは…

『プラセボ』とは、薬の効果を科学的に検証するための治験で使われる、薬効成分を含まない薬剤のことをいいます。具体的成分には、乳糖やでんぷん、注射薬では生理的食塩水などが、主に用いられているようです。

薬効成分は含まれていないはずのプラセボ薬ですが、上記のように病状が改善してしまうケースが少なくありません。これを「プラセボ効果」といいます。

「ニセ薬がなぜ効くか?」ということは、科学的にハッキリと証明されているわけではないですが、一説には、患者の精神に働きかけることで、自己治癒力が高められると考察されています。

こうした、「意識の力」に焦点を当てた論文は現在、膨大な数が発表されています。その中で、英国医学雑誌にも掲載されたひとつの治癒例をご紹介しましょう。

あるとき、イギリスの医師:アルバート・メイソンは、外科医からの紹介で15歳の少年の皮膚を治療することになりました。
メイソンの元に訪れたとき、少年の皮膚(全身)は、まるでゾウの皮膚のようになっていたといいます。
少年は、通常の医学では治療困難と診なされ、メイソンの元へ送られてきたのです。
メイソンは、少年の皮膚を診て、「必ず消える」と自信満々で治療を開始し始めました。
初回の治療で、メイソンはまず、少年の腕の皮膚を治療しました。
次に、少年を催眠療法で眠らせて、「健康的な肌になる」という暗示をかけました。
すると、一週間後の再診のときには、腕の皮膚がかなりキレイになっていたのです。
メイソンは、そこで紹介元の外科医に少年を連れて行きました。
そこで、メイソンは事実を知って驚きます。
なんと、外科医はメイソンに少年の皮膚は先天性の魚鱗癬(ぎょりんせん)であるということを伝えていなかったのです。
先天性の魚鱗癬は、遺伝子異常による皮膚表面角質の形成障害が原因なので、催眠療法で治る病ではありません。そして、この結果には外科医も驚きました。
紹介はしたものの、実は「治るとは思っていなかったからです。
Mason,A.A.;A Case of Congenital Ichthyosiform Erythrodermia of BrocqTreated by Hypnosis;British Medical Journal.1952,30.p422-423.

この腕の治療に勢いづいたメイソンは、引き続き少年に催眠療法をおこなった結果、最終的に少年の皮膚は大部分が健康的になったといいます。

少年の治療を終えた後、メイソンはテレビ番組「Discovery Channel」に出演。
インタビューで、「催眠で先天性鱗癬を治すのはむずかしい」という意識をもった瞬間から、それが私の潜在意識に残ったため、二度と催眠で治せなくなった。と述べています。

最初の少年のケースでは、先入観なく「治る」と信じていたそうです。
これは、「治療効果には、医師と患者、双方の強い信念がかかわってくる」という事例になっています。

上記の例でもそうでしたが、「ニセ薬」という手段に頼らなくても、医師の振る舞いや言葉によって同種の効果を得られることがあります。

一般的にプラセボは、役に立たない薬の代名詞のように扱われていますが、あまりにも、『薬が欲しい』という患者さんを薬漬けにしないためにニセ薬を処方する等、プラセボ効果をうまく引き出せる方法を見いだすことができたなら、私たちが生来もっている自己治癒力を、最大限治療に活用することができる。そんなことを思います。

引用元:
『プラセボ効果』とは、なんなのか?ニセ薬の有効的な使い方とは【imedi】