「ようやく、妊娠相談を行う各地の人と連携できるようになる。悲願でした」。助産師や保健師らが行う相談窓口をつなぐ「全国妊娠SOSネットワーク連絡会議」が11月下旬、本格的に動きだした。

 予想外の妊娠で悩む女性の相談に、熊本市にある慈恵病院の看護部長として不眠不休で対応してきた。日本中から相談があり、限界を感じていただけに、全国ネット化に万感の思いがある。

 母子に寄り添う原点は、産後うつなどにいち早く取り組んだ保健師活動だ。2007年、「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」を同病院が開設し、陣頭指揮をとった。同時に設けた無料妊娠相談窓口での支援は、既に9000人を超え、奔走する姿はテレビドラマになった。

 新生児の遺棄や虐待を防ごうと、妊娠相談を行う自治体やグループが増え始めた。今春、病院を定年退職し、妊娠相談の意義や手法を伝える活動に力を注ぐ。各地で築いてきたつながりが生きている。「悩みを抱えた女性を孤立させてはいけない」。妊娠相談のガイドブック(日本財団発行)執筆にも加わり、熱い思いを込めた。(調査研究本部主任研究員 榊原智子)



引用元:
[顔]妊娠SOS全国ネット…田尻由貴子さん(65) 2015年12月10日(読売新聞‎)