米国内分泌学会(ENDO)は11月23日、不妊の主要原因となる多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に関する研究を充実させるよう声明を発表した。Endocrine Reviews誌に掲載。

 PCOSは生殖年齢にある女性に起こる一般的なホルモン障害で、米国では500万人が罹患している。PCOSは不妊の主要原因となるが、糖尿病などの代謝疾患、循環器疾患、うつ病などの精神疾患リスクの上昇とも関連づけられている。PCOSが引き起こす症状は多岐にわたり、患者間でも異なる症状を示すため、その定義や疾患名についても議論がされてきた経緯がある。ENDOが作成した診療ガイドラインでは、(1)アンドロゲン過剰産生、(2)無排卵、(3)多嚢胞性卵巣――の3主徴のうち2症状が認められた場合にPCOSと診断することを推奨している。

 ただ、思春期の卵巣は卵巣嚢腫と似たような外観を呈すことがあり、十代女性のPCOSは診断が難しいのが実情だ。ENDOは、PCOSの早期診断がこの疾病の長期的影響を理解するために重要だとして、十代患者の診断基準設定に繋がる研究を増やすよう、今回の声明を発表。声明では、さらにPCOSの病因を調べるための細胞モデルや動物モデルの樹立、卵巣機能の制御に関わる分子メカニズムの研究、PCOSとその症状の発現に関与する遺伝子の研究の推進を求めている。



引用元:
「十代PCOSの診断基準」に学会声明【米国内分泌学会】(m3.com )