今、26〜28歳の女性の半数が妊娠経験がないとされており、先進国はどこも少子化が悩ましいです。昔と今、何が違うんでしょう?ボリビアの先住民の研究であることがわかりました。

衛生状態が良くなった弊害
花粉症で苦しむ孫を見て、おじいちゃんが「ワシらのころはほとんど花粉症なんてなかったのになぁ」ってよく言いますよね。

その理由はこうです。

私たちが感染症や炎症にかかるとします。
そうすると、異物に対する免疫を作る白血球数が増えます。
白血球の中にはリンパ球というのがおり、そのリンパ球の中には『T細胞』『B細胞』『ナチュラルキラー(NK)細胞』が含まれています。
これらはすべて抗体を作ったり細菌を殺したりします。
問題はT細胞で、これはウイルスに感染した細胞を発見して取り除く仕事をしているんですが、衛生的な環境下ではウイルスがいなくなり、仕事しなくてよくなったT細胞は自ら激減します。
ですから、必然的に不衛生な環境下にいた昔の日本人は、ウイルスに対して自分自身の力でなんとかしてきたので強いですし、現在でも不衛生な環境にいる人々は、病原菌には抗体を作って、自分自身で対処し続けています。
寄生虫に感染したい人たちが増えています。昔はよかった。
「昔はよかった」ということで現在、先進国を中心として、不衛生な環境下で自己の身体にいにしえの免疫システムを取り戻すため、寄生虫に感染するのが流行っているそうです。

その人たちは、ネットを中心に非合法の“寄生虫ディーラー”から買っているということなので、そのディーラーなるものを筆者もネットで検索してみたのですが、残念ながら発見できませんでした…

不衛生な場所に直接飛んで入手しているのか。いずれにせよ、こうした方法は突飛に聞こえながらも伝統のあるものです。

デブリードマン(debridement)と呼ばれる外科的処置が、それです。

免役,寄生虫,衛生,不妊,感染,ボリビアこれは感染や壊死した組織清浄化することで他の組織への影響を防ぐ方法で、蛆(maggot)を患部に住まわせて傷の清浄化を図るマゴットセラピーなどがあります。
戦争中の映像などで傷口に蛆が湧いた兵士を見たことがおありかもしれませんが、その場合も、蛆が湧いた方が 治癒が早かったことが統計的にわかっています。

ボリビアの先住民族を研究してたら、妊娠効果のある虫を発見しちゃった!
カリフォルニア大学サンタバーバラ校のAaron Blackwell教授のチームは、2002年から長寿と疾病の関係について研究するため、ボリビアのTsimane族という先住民居住地区に入って研究していました。

すると、同行していたあるチームメンバーの奥さんが 現地入りして間もなく妊娠しました。

調べを進めたところ、この地区にいるほぼ全ての人が持っている Ascaris Lumbricoidesという回虫の存在に行き着きました。

この地区の一家あたりの子ども数は平均9人。お母さん先住民女性:986人のうちの70%はなんらかの寄生虫に感染済だったとのこと。

感染経路は人糞による肥料を使った野菜摂取などで、普段は意識せず、排泄時に気づくことが多いそうです。チームメンバーの奥さんはこの回虫に感染したのですね。

でも、ちょっと待ってください
この情報を聞いて、ボリビアへの格安航空券を買おうと思った方。

他の研究者の意見も聞いてみましょう。

寄生虫専門家のRick Maizels教授によると、寄生虫は免疫システムを抑える働き、つまりワクチンを効きにくくし、免疫系が頑張っている証拠であるアレルギー反応も抑えてしまうとのこと。結果、貧血症を起こしたりして結局のところ不妊につながるリスクがあるらしいのです。

うーん。まるで反対のことを言っています。

また、寄生虫の中でも鉤虫(腸に寄生)は 妊娠を遅らせることがわかりました。
残念にも、寄生虫を持っていたTsimane族女性70%のうち、56%はこの鉤虫持ちだったらしいです。

実証は、まだまだ先です
現在、世界の人口の1/3がなんらかの寄生虫に感染していると言われています。これは今現在、それだけ不衛生な場所があるということでもあります。

一方で、衛生的な先進国では免疫システムに異常をきたした 多くの女性が不妊に悩んでいます。

シェフィールド大学のAllan Pacey教授は、現在まで体外受精や、胚受精(IVF)が試みられながらも あまり効果が上がっていない現状で、Ascaris Lumbricoidesがボリビアの先住民族の間で、実際に妊娠効果をあげているのは本当にすごいと認めています。

確かに、妊娠も異物の侵入には違いありませんし、免役システムを過剰反応させなければ 妊娠するかもしれないというリクツはわかります。

しかし、発見者のBlackwell教授は「効果は思った以上に広範囲にわたる」としながらも「誰かにこの回虫への感染を勧めるには、もっとかなりの研究が必要」と、慎重な姿勢を見せています。



引用元:
不衛生にすると妊娠しやすくなる?ある回虫に妊娠効果発見【imedi】