「風邪の常識 ウソ、ホント?!」というテーマで取材を受けました。『月刊ベターホーム』という雑誌の12月号に載っています。風邪薬には風邪を予防したり早く治したりする効果はない、とか、風邪予防にはうがいや手洗いが効果的、といった話をしました。

うがい、手洗いときたらマスクです。私の外来にも、風邪予防を目的にマスクをしている患者さんが受診します。とくに病院には風邪の患者さんもたくさんいますので、感染する機会は大きいと言えるでしょう。

気になるのは、マスクの位置を直すためか、マスクの外側をさわる方がいらっしゃるのです。

マスクをする理由の一つが、他人からの病原体を含んだ飛沫(ひまつ)が口や鼻に入らないようにすること。ということはつまり、マスクの外側には病原体が付着しているかもしれないということです。

マスクの外側を手で触り、その手で口元や目をさわると、病原体が粘膜を介して感染することになります。せっかくマスクをしていても、これでは意味がありません。

マスクの外側は汚いと思ってください。トイレのドアノブぐらい汚いと思ってもいいぐらいです。マスクの外側はさわらないこと。もしさわってしまったらすぐに手を洗うことです。マスクを外すときは、フィルターにさわらないよう耳にかけているゴムひもを外すようにしてください。

そもそも、手であまり顔をさわらないようにしましょう。病原体は粘膜から侵入します。目をこすったり、口元をさわったりすると、感染する可能性があります。鼻の穴をほじるのも、もちろんだめですよ。顔をさわるなら手を洗った直後です。

マスクによる風邪予防効果については、懐疑的な意見もあります。マスクに風邪の予防効果を認めることができなかったという研究もあります。ただ、マスクにはリスクがほとんどないという利点があります。値段もそれほど高くありません。

効果を過信しなければ、風邪予防目的でマスクを使ってもいいでしょう。そして、どうせ使うなら、正しい使い方をしましょう。


引用元:
マスクの外側はさわらないで(朝日新聞)