生物の遺伝子を効率良く改変できる新技術「ゲノム編集」を巡り、米科学アカデミーなどが主催した国際会議は3日、「生殖細胞にゲノム編集を加えて人の病気の予防や治療に使うことは、現時点で無責任だ」とする声明をまとめた

声明は、世界各国で生殖細胞にゲノム編集を加える研究について法規制や指針を検討する際には、会議を主催した米中の両科学アカデミー、英国王立協会が積極的に議論に関与すると表明。議長を務めたカリフォルニア工科大のデービッド・ボルティモア教授は「これがゲノム編集への対応の始まりだ。良い方向性が出せたことを誇りに思う」と話した。

 ゲノム編集は、従来の遺伝子改変技術よりも飛躍的に高い精度での改変を可能にする。不妊治療や遺伝的な病気の予防に利用するには、生殖細胞を改変することになるが、個人の全ての細胞の遺伝子に改変を加えることになり、未来の世代にも影響が残る。

 声明は、人の生殖細胞への応用は、あくまでも各国の規制の範囲内で、技術の精度や安全性をさらに確認した上で、社会的にも広く理解を得る必要があるとした。仮に研究の過程でゲノム編集をした生殖細胞ができたとしても、それを使って出産を目指すべきではないと指摘した。

 この日の議論では、北海道大の石井哲也教授(生命倫理学)も登壇し「毛の色や身長などといった見た目を『改造』する手段としては受け入れられない」と訴えた。

 議論に参加した大阪大の加藤和人教授は「ゲノム編集は人類が新しい世界に一歩を踏み出す技術。日本国内でもこのような議論を始めることが望ましい」と話した。(共同)

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引用元:
ゲノム編集:生殖細胞改変は「無責任」 国際会議声明(毎日新聞‎)