初めての妊娠・出産は不安でいっぱい。小さな命を宿した体は日々変化し、心身ともに緊張感が高まりますし、出産までの道のりや産後の子育てなど分からないこともたくさんあります。そんな時、身近に安心して相談できる専門家がいたら、もっと安心して子どもを迎えることができるのではないでしょうか。そんな風に安心して子育てできる環境をつくるために、今注目されているのが「ネウボラ」です。
「ネウボラ」とは
ネウボラとはフィンランドで普及している子育て支援制度のことで、直訳するとフィンランド語で「アドバイスの場」という意味。妊娠期から産後、そして子どもが就学するまでの期間を切れ目なくサポートし、母子に限らず父親や兄弟も含めた家族全体を支援する取り組みです。ネウボラの拠点を訪れると、いつもの担当保健師さんが対応してくれて、気軽に質問や相談ができるようになっています。フィンランドの総人口は約540万人と日本よりもずっと少ないものの、国内に800カ所以上のネウボラが設置されていると言われています。
日本でもフィンランドの取り組みをお手本として、日本版ネウボラが展開されはじめています。日本国内においては、まだ自治体ごとに体制や内容が異なっているのが現状ですが、埼玉県和光市や千葉県浦安市などが取り組んでいます。今後は地域の「子育て世代包括支援センター」が切れ目のない支援のワンストップ拠点として機能していくことが期待されています。同センターには保健師、助産師、ソーシャルワーカーといった専門家が在籍し、妊娠期から子育て期における相談や支援をトータルに実施できる体制がとられています。
例えば、今までは、妊娠が分かって母子手帳をもらいに役所や保健センターを訪れると、その後は母親学級や乳児健診くらいしか保健師をはじめとしたスタッフとの接点がありませんでした。また妊娠中も、健康面については妊婦健診の際に産婦人科といった医療機関で相談できても、それ以外のメンタル面や生活上の不安や心配ごとについては相談できる場がありませんでした。そこで、日本版ネウボラの子育て世代包括支援センターでは、妊娠して最初に訪れる場所であり、その先もずっと必要な支援が受けられる場として機能するよう、専門家を配備した上で必要に応じて医療機関とも連携を取ることを可能としています。
続いて次回は、親となって働くことを考えている皆さんにこそネウボラを活用してもらいたい理由をお伝えしたいと思います。
引用元:
親になって「働く」と向きあう