21の専門分野ごとに患者を支援する「認定看護師」の一部分野で、有資格者数が伸び悩んでいる。1000人を超える分野がある一方「乳がん看護」などは200人台にとどまる。同僚の指導などを通じて看護の水準を上げる役割を担っているが、一部分野では教育機関が少ないことが増加を阻むとみられる。

 認定看護師は日本看護協会が1997年、「救急看護」「皮膚・排泄(はいせつ)ケア」の2分野でスタートさせた。現在は21分野で計1万6000人近くいる。認定看護師は高水準の看護を行うだけでなく、治療方法や心のケアなどについて、同僚看護師からの相談に応じたり指導したりする。認定審査を受けるには、看護師の実務経験が通算5年以上あり、うち専門分野が3年間以上などの条件を満たし、さらに教育機関で半年間以上学ぶ必要がある。

 最も認定看護師が多いのは「感染管理」で、「皮膚・排泄ケア」「緩和ケア」と続き、いずれも2000人前後。これらの分野の教育機関は全国に10カ所前後ある。一方で、教育機関が千葉と静岡、鳥取の3カ所だけの「乳がん看護」は285人しかおらず、患者約650人に1人の割合だ。

 教育機関の設置は大学などの判断に委ねられる。乳がんの患者会「アイリスの会」(盛岡市)の鈴木俊子会長は、「看護師になって資格を取る条件を満たす頃には、子どもや家族ができる年齢になり、長期間、遠方で教育を受けるのはハードルが高い」と話している。【近藤綾加】

 ◇「不安解決導く手伝いしたい」
 岩手県立中央病院(盛岡市)の乳腺内分泌外科の外来病棟で、ただ一人の「乳がん看護」の認定看護師として働く古沢優子さん(42)は「患者を不安のまま自宅に帰すのではなく、専門知識を生かして悩みを整理し、解決に導くお手伝いができれば」と話す。

 1995年に看護師になり、2003年に乳腺・心臓外科病棟へ配属された。乳がんは治療法によって乳房や頭髪など見た目が大きく変わることがあり、涙を流しながら話す患者を前に言葉が出ないこともあった。「一つ一つの不安を解消できているだろうか」という思いが募った。

 先輩看護師の勧めもあって08年、認定看護師の教育機関、千葉大大学院の看護実践研究指導センター(千葉市)に入学し、半年間勉強した。患者の意思決定に携わる場面を想定し、患者役と看護師役に分かれて模擬カウンセリングを実施。乳房の形を補う下着の選び方も学んだ。認定審査に合格し、09年春に復職した。

 手帳の中に一枚のカードがある。「的確なアドバイスをありがとう。これからも生きていきます」。2年前、治療法などを話し合いながら、闘病生活を送った60代の患者からもらったメッセージだ。

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 ◇認定看護師数と教育機関数(11月30日現在)
 分野     認定看護師 教育機関

感染管理    2324人 14カ所

皮膚・排泄ケア 2172人  8カ所

緩和ケア    1851人 10カ所

乳がん      285人  3カ所

小児救急     228人  1カ所

透析       207人  1カ所

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引用元:
認定看護師:伸び悩む有資格者数 「乳がん看護」など一部分野で(毎日新聞)