インフルエンザの流行を前に、予防接種がピークを迎えていますが、2015年から、より多くの種類のウイルスに対応できるよう、ワクチンが改良されました。
その一方で、かかる費用は値上げされて、関係者からは懸念の声も上がっています。

東京・荒川区の小児科病院。
インフルエンザの流行を前に、子どもたちの予防接種がピークを迎えている。
2015年は、全国の保育施設から高校までの56カ所で学級閉鎖され、836人もの児童や生徒の感染が報告された。
インフルエンザワクチンが対応できるウイルスは、2014年まではA型2種類、B型1種類の、あわせて3種類だったが、厚生労働省は、ワクチンの効果をより高めるため、2015年から、新たにB型1種類を追加。
合計で4種類に増えた。
武田クリニックの武田 千賀子副院長は「やっと、世界基準に日本が追いついてきているなと。4種類に増えたということで、予防する範囲が広がったということになりますね」と話した。
しかし、よい面ばかりではないようだった。
ワクチンの改良にともない、製造原価が上昇した。
病院への納入価格は、2014年の1.5倍になった。
この病院では、2014年は、予防接種料金が2,500円だったが、2015年は3,000円に値上げされた。
保護者からは、「高いですよね。(子ども2人で)6,000円は高い。もう2回目ですからね、1万2,000円ですよね。『もう、なってもいいかな、インフルエンザ』って思っちゃいます」、「妥当じゃないでしょうか。種類も増えたって聞いたので、その分、安心でいいと思います。絶対に必要なものだと思います」などといった声が聞かれた。
特に、13歳未満の子どもは、2回の予防接種が必要なため、負担を感じる家庭も少なくないようだった。
医療関係者からは、懸念の声も上がっている。
武田副院長は「値段が上がることによって、(費用)負担が大きくなるということがありますので、それによっては、打たないで、ことしは打たないというお考えの方もいらしても、おかしくはないと思います」と話した。
東京・荒川区では、地元の医師団体が、13歳未満の子どもの費用負担を減らすよう求めて、区議会に要望書を提出するなど、ワクチン値上げの影響も出始めている。

インフルエンザの抗体ができるまでに、3週間から4週間かかるため、厚生労働省は、なるべく早く予防接種を受けることを勧めている。

引用元:
インフルエンザ予防接種 値上げに懸念の声も上がっています。(fnn-news.com‎)