九州大などの研究班は妊娠中に抗てんかん薬を服用すると、生まれる子供の脳神経細胞(ニューロン)の生成が低下し学習・記憶機能に悪影響が出る可能性があることをマウス実験で突き止めたと発表した。一方で生まれたマウスが自発的な運動をすることで機能が改善することも分かったとしている。米科学誌ステム・セル・リポーツ電子版に19日掲載された。
九州大大学院医学研究院の中島欽一教授(神経科学)らは、抗てんかん薬「バルプロ酸」を投与した妊娠マウスから生まれた子と、バルプロ酸の暴露を受けていない通常のマウスの10匹ずつに、迷路を使った学習・記憶テストをした。5分間実施して比べたところ、通常のマウスは迷路の正解率が66%だったのに対し、暴露マウスは50%だった。暴露マウスは通常のマウスに比べニューロンを生成する神経幹細胞の数が少なく、ニューロンも少ないうえに形態などの異常がみられたという。
さらに研究班は暴露マウスの飼育箱に、中に入り自ら走って回す車を設置して運動をさせたところ、テストの正解率が66%に回復し、ニューロンの異常もなくなった。
世界でてんかんの妊婦の約2割がバルプロ酸による治療を受けているとされ、生まれた子供の認知機能低下も報告されているという。中島教授は「てんかんを患った女性でバルプロ酸の投与が欠かせない人もおり、(子供に悪影響が出た場合の)治療法の開発につなげていきたい」としている。【関東晋慈】
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引用元:
抗てんかん薬:妊婦服用で生まれる子の脳に悪影響の可能性(毎日新聞)