例えば、もう自分で靴を履けるのに、玄関で足を投げ出している子ども。いつもと違う靴をママが出すと「これじゃない!」と駄々をこね、ママは子どものお気に入りの靴を出す……何だか“王様”と“召使い”のような関係ですよね。

ごねれば何でも手に入ると学習してしまった子どもは自分の感情のコントロールが出来ない人になってしまいます。

そこで今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子が“全部は受け入れてはいけない子どものワガママ”についてお話しします。



■赤ちゃんには“召使いママ”がいい

赤ちゃんに対してはともかくお世話をしてあげてください。赤ちゃんは自分の意志で何かを選んだり場所を移動することさえ出来ません。だから思い切り泣いて要求を訴えるのです。

オムツが濡れて泣けば交換してもらえる、お腹が空いて泣けばミルクをもらえる、眠くて泣けば「よしよし」と抱っこしてもらえる。

“ママはこんな風に自分の身の回りの世話を何でもしてくれる”という体験を通して“私が生まれてきたこの世は安心”と思えるようになります。そして自分を守ってくれるママと他の人と区別も出来るようになっていきます。

逆に、もし泣いても喚いても何もしてもらえなかったら、赤ちゃんは「泣いても無駄だ」と諦め、“サイレントベビー”になってしまう危険もあるくらいです。


■王座を奪われる経験


ところが、1歳を過ぎてくると思い通りに対応してもらえないことが出てきます。

時には自分の方が親の言う事を聞かなくてはならないことも起こります。弟や妹が生まれようものなら途端に“王様の座”を追われます。ですが、これで“世の中には思い通りにならないことがある”ことを学んでいけるのです。



■「王様子どもと召使いママ」4パターン

逆に、子どもが大きくなってきたのに、いつまでも“王様子ども”の言いなりの“召使いママ”がいます。

(1)いつまでもファミレスでメニューを決められない王様子ども

同席した他のママ達の子どもはお腹を空かせて待っているのにも関わらず、カレーライスかスパゲティーかいつまでも決められない子どもがいます。更に食事が始まってもグスグス食べて、中々食べ終えようとしません。

これは、家で食事を食べないからとダラダラと時間制限なしに食べさせていたり、子どもが椅子から離れる度にママがお皿を持って子どものところへ移動し口に運ぶことをしている家庭だったりします。こうなると外食時も時間内に食べ終えることが出来ないのです。

(2)「座りたい」と叫ぶ王様子ども

電車の中で、中年のおばさんが座っている前で「座りたい!座りたい!」と叫ぶ子どもがいます。筆者が見かけた子どもは、席を譲ってもらっていました。本来席を譲るべきなのはどちらでしょうか?

(3)習い事が続かない王様子ども

習い事をさせる際は子どもの意志を尊重することは大切です。ですが「○○ちゃんが習っているからあたしもやりたい」と言えばやらせ、辞めたいと言えば直ぐに退会しているママがいます。月謝をドブに捨てているのと一緒ですね。

(4)通園カバンの整理をしない王様子ども

通園カバンに入れる着替えや連絡帳の出し入れ、既に子ども自身で出来るようになってるのに「やって、やって」と叫ぶからと言って、当たり前のようにママが全部やってしまっています。

スーパーでお菓子を買ってもらうまで叫ぶ子、席を譲ってくれるまで泣き叫ぶ子。何とかこの場を収めたいのでついつい大人は折れてしまいます。

子どもは要求が通ればおとなしくていしますが、これが思い通りにならないと、ワガママを聞いてもらえるまで大騒ぎすることになってしまいます。“王様子ども”にしたくないのであれば、泣かれて辛くてもそこで我慢してくださいね。



いかがでしたか。

この世には思い通りにならないことがたくさんあります。

哲学者ルソーの言葉に、「子どもを不幸にする一番確実な方法は、いつでもなんでも手に入れられるようにすることである」とあります。子どもを幸せにしたいと願うなら、何でも与えるのではなく、思い通りにならないことも経験させましょう。




引用元:
将来子どもがワガママな人になってしまう「幼少期の親子4パターン」(It Mama)