頭痛や発汗、手足のこわばり、脱毛、関節の痛み、睡眠がとれない…。閉経をはさんだ45〜55歳ごろの女性がこんな症状に見舞われた場合、更年期障害の可能性があり、放置すれば生活習慣病につながる恐れもある。また別の疾患のケースもあり、その点の注意も必要だ。更年期障害の症状や原因、対処法について、「更年期と加齢のヘルスケア学会」理事で野崎ウイメンズクリニック(福岡市中央区)院長の野崎雅裕医師(61)に聞いた。

 −代表的な症状は。

 「体のほてりや大量の発汗、いらいらです。これらに先行して月経異常があります。個人差が大きく、手足の冷えや目や口の渇き、肌の乾燥、ひざの痛みなど、さまざまな不調があります。コレステロール値や血圧が高くなり、生活習慣病を起こしやすい状態にもなります」

 「うつ状態が、精神疾患ではなく、更年期障害の症状の場合もあります。一方で月経異常は、妊娠や子宮がんの場合があります。『どうせ更年期だから』などと軽視せず、婦人科で調べることが大切です」

 −更年期障害の原因は。

 「女性ホルモンの代表であるエストロゲンの減少です。10〜20代に増えたエストロゲンは40代ごろまで安定しますが、閉経を迎える前後に急激に減ります。数日周期で波打つように減っていくので、エストロゲンの分泌が比較的多い日は調子が良い場合もあります。早い人は30代後半から症状が出ます」

 −治療法は。

 「エストロゲンを補充するホルモン補充療法が効果的です。飲み薬が代表的ですが、有名化粧品会社が手掛けるジェルを腕などに塗って補充する方法もあり、フランスで主流です。治療成分が含まれたシールを貼る方法もあります」

 −大豆や豆乳を取るとよいと聞きますが。

 「大豆イソフラボンからつくられるエクオールという物質が、エストロゲンと似た働きをすると知られています。確かにつらい症状を和らげることが期待できます。しかし、体内でエクオールを作ることができるのは日本人の約半数だけ。サプリメントで取り入れると良いでしょう」

 「漢方薬でも効果を示す場合があります。ただ、自分勝手に補充しようとすると、生理の量や回数が増えるなどのトラブルも。自分に合った適切な治療法を専門医と見つけましょう」

 −「出産経験がないと症状が重い」というのは本当ですか。

 「医学的な根拠はありません。症状を強く訴えるのは、きちょうめんな性格や神経質な人が多いです」

 −予防法は。

 「更年期は仕事や子育て、介護などが重なる時期で、女性は自分の健康を後回しにしがちですが、日頃からバランスの良い食事を心がけて、運動にも励み、健康管理に努めてください。それが予防や症状の緩和、改善にもなります」


=2015/11/13付 西日本新聞朝刊=


引用元:
更年期障害 医師に相談を 症状に個人差 他の病気の恐れも(西日本新聞)