大阪大学の田中佑典医員と上田豊助教は、陽電子放射断層撮影装置(PET)で、卵巣がんなどに対する抗がん剤の効き目を予測できることをつきとめた。患者に合った抗がん剤を選択でき、患者の負担が軽減されるとみられる。数年以内の実用化をめざす。

 子宮頸(けい)がん、子宮体がんなど婦人科がんの患者31人に抗がん剤を1回投与した後、がんの組織が栄養となる糖を取り込む様子をPETで観察した。投与後も糖の取り込みが活発なら薬は効かず、取り込みが衰えれば薬が効くと予測した。抗がん剤を計3回投与した後にコンピューター断層撮影装置(CT)でがんの大きさを調べたところ、31人中29人で予測が的中した。

 現在は抗がん剤を2〜3回投与した後、CTでがんの大きさを見て効果を判定している。1回の投与で効果を予測できれば、効かないときにほかの薬剤に早期に切り替えられる。


引用元:
抗がん剤の効き目をPETで予測 卵巣がんなど、阪大 (日本経済新聞)