卵巣がんの目印になるタンパク質「CA125」。
通常、がん細胞が作るこのタンパク質を持たないがん細胞は、卵巣がんの治療を効きにくくする元凶かもしれない。
通常の治療をすり抜ける
米国、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のサナス・メモルザデ氏らの研究グループが、有力医学誌のオンライン姉妹誌であるネイチャー・コミュニケーションズ誌において2015年8月3日に報告している。
悪性度の高い卵巣がんには、化学療法薬のカルボプラチンがよく効く。
一方で、治療後の再発が多い問題があるようだ。
研究グループは、5年にわたって卵巣腫瘍細胞を集めて分析。
ほとんどはCA125陽性という、CA125を持っているがん細胞だったが、わずかに陰性の持たないがん細胞が見られると突き止めた。
さらに、CA125陰性細胞は、陽性細胞よりも700倍早く成長すると確認。CA125陰性細胞は、悪性度の高いがんに通常使われる薬に耐性があると分かった。
延命につながる研究
研究グループは、ビリナパントと呼ばれる抗がん剤に注目。
このビリナパントは、プログラムされた細胞死を引き起こして、がん細胞を自殺に追いやる。CA125陰性細胞でも化学療法に効きやすく効果があると説明する。
化学療法とビリナパントを組み合わせると、それぞれの治療だけを受けた人と比べて、卵巣がんのがん進行のない無病生存率が高まった。
CA125陰性細胞を標的として、悪性度の高いがんの予後を良くする可能性を示すと指摘。標準的な治療を受けても80%から85%はがんが再発するので、延命につながる発見となりそうだ。
卵巣がんの治療法として注目されるかもしれない。
文献情報
UCLA study: Combination therapy may be more effective against the most common ovarian cancer
引用元:
悪性度の高い卵巣がん、「CA125陰性細胞」こそ問題(Medエッジ)