核家族化が進む日本、多くのママたちが子育てに悩みを抱えている

かつての日本では、子どもと親と祖父母が一緒に暮らす「三世代同居型」が主流でした。そのため、母親一人に育児の負担が偏らないように、育児を家族みんなで分担しあうことができましたし、兄弟たちも、幼いころから自然と赤ちゃんとの接し方やあやし方を学ぶことができていたのです。
しかし、最近の日本では、核家族化や少子化の傾向が年々強まっており、母親が赤ちゃんとの接し方を知らないまま大人になってしまったケースや、子育てに関する悩みを誰にも相談できず、孤立し、精神的に追い詰められてしまうといった問題が多く発生しています。そして、こうした問題によって、育児放棄や児童虐待の発生件数も年々増加しているのです。
今回紹介する「保健師」は、このような育児に不安を抱えている母親に寄り添い、母親と子供の健康と、心のゆとりを築くためのサポートを行う人物です。弱っている人の声に耳を傾ける優しさと、医療知識を持ち合わせた健康づくりの専門家だからこそできる、社会貢献度の高い仕事の中身を詳しくご紹介します。

ママと同じ目線で育児に向き合い、アドバイスをするのが保健師の仕事

保健師の役割は、一言で説明すると「病気予備軍を見つけて、事態が悪化しないように対策をとること」といえます。例えば、自分が担当する地域に、未熟児を出産した母親がいるという情報が入ると、母親の元を訪問し、定期的に体重を測定して経過を見守ったり、状況に応じて地域の医師に連絡を取り、受診を促すといった具体的な指導・アドバイスを行います。また、訪問時には、産後の母親の健康状態を見ることも保健師の重要な役割です。母親自身の体調の他、おむつ交換や夜泣きの対応など、育児で困っていることはないかをヒアリングし、孤立しがちな母親たちの良き相談相手になることも、保健師の仕事なのです。
他にも、保健師は小児科医や歯科医、栄養士とともに、乳幼児に対する検診も行っています。自らも検診を行うだけなく、会場の手配や受付、案内といった業務も保健師が担当しているんですよ! 心と身体のケアだけでなく、検診の開催といった事務的な仕事も求められるので、母親と子供を想う気持ちだけでは務まらないたいへんな仕事ですが、母親たちから「保健師さんに来てもらえて安心した」といった言葉をかけてもらえたり、自分が見てきた子供たちが、検診のたびにどんどん大きく成長していく姿を見られるのは、この仕事ならではのやりがいです。

看護師との違いは何? どんな人が保健師に向いている?

ここまで、育児に関する仕事内容を中心に紹介してきましたが、実は保健師が担当する人の層は、乳幼児から高齢者までさまざまです。
先ほど紹介した、乳児検診を行っているのは、地域の保健所や市役所に勤務する「行政保健師」という職種。行政勤務の場合には、育児だけでなく、介護に悩む家族のサポートや、地域住民のための健康維持活動(禁煙講習会などの開催)も行います。
また、「産業保健師」という職種に就くと、過労死やうつ病の防止に、産業医や人事担当者とともに、社員の健康管理を行います。いずれにせよ、さまざまな年代・病状に対する知識と理解が求められるプロフェッショナルな仕事といえるでしょう。
その証拠に、保健師は看護師業務も行うことができますが、看護師は保健師業務(健康に関するアドバイス・啓蒙活動を行う)をすることはできないのです。看護師の仕事は、病気になった人をケアすることですが、保健師の仕事は、その一歩先をいく、病気にならないようにケアをすることです。保健師になるには、まず看護師免許を取得後、保健師の養成学校に半年程度通学し、その後、保健師国家試験に合格しなければなりません。しかし、看護学を学べる4年制の大学や、一部の看護専門学校では、卒業と同時に看護師と保健師、両方の受験資格が同時取得できる課程もあります。
ハードルは高いかもしれませんが、少子高齢化社会において、出生率の向上と、高齢化問題の両方をサポートできる職種は、保健師の他にはありません。自分の知識と行動力で人を守りたいという想いがある人にとっては、絶好の仕事といえるでしょう。


引用元:
育児に悩むママたちの救世主! 赤ちゃんの成長を陰で支える「保健師」ってどんな人?(マイナビニュース)