米国女優のアンジェリーナ・ジョリーで注目されたBRCAと呼ばれる遺伝子。

 この遺伝子の突然変異があるときに、どう治療を進めるか。

 薬が効かなくなる問題を乗り越える、新しい手段が出てくるかもしれない。

がんになりやすくなる

 米国エール大学の研究グループが、細胞分野の国際誌であるモレキュラー・セル誌に報告。同大学が紹介している。

 研究グループは、BRCAという遺伝子は、通常は傷ついたDNAを修復して、がんを防ぐ働きがあると説明している。BRCA遺伝子の突然変異が起こると、がんになりやすくなる。

 突然変異があると10人中6人で卵巣がん、乳がんを発症するという。

 さらに、突然変異は前立腺、膵臓がんについてもリスクを高める。

がんが「ハイジャック」

 BRCAの遺伝子をめぐっては、がんが「ハイジャック」して自分の都合のいいように使うようになる。DNA修復の仕組みをがんに都合の良いように使われてしまうわけだ。

 BRCAに関連して効く薬は、このハイジャックの状態を押さえ込もうというものとなる。

 そうはいっても効かなくなる場合があり、薬剤耐性と呼ばれる現象で課題となっていた。

コンビに注目

 研究グループは、補助因子である「DSS1」と呼ばれるタンパク質に注目。がんのハイジャックを解消する手段として使えないかと検証した。

 DSS1についても、BRCAとコンビになって細胞のダメージの修復に関係している。

 このコンビを一緒に邪魔すれば、薬剤耐性をさらに避けられると見た。

 研究グループによると、DSS1がなくなると、がんを生き延びさせる仕組みがうまく働かなくなるようだ。

既存の薬と一緒に使える?

 DSS1機能を邪魔する薬が開発され、アストラゼネカ社のオラパリブ(一般名、商品名はリンパルザLynparza)などの既存薬と一緒に使うと耐性を低下させられる可能が出てきているという。

 今後、注目されそうだ。


引用元:
乳がんや卵巣がんの薬をパワーアップさせる薬に可能性、「BRCA」遺伝子の異常に注目(Medエッジ)