近年、読み方が分からない漢字を使った「キラキラネーム」と呼ばれる名前を子供につける親が増えているが、京都大学の研究グループは22日、人気の漢字に読めない名前をつけるのは、日本文化が個人主義化しているあらわれだと結論付けた。




 これは京大・こころの未来研究センターの内田由紀子特定准教授らのグループが、ベネッセと明治安田生命が毎年公開している新生児の名前ランキングを分析したもの。




 研究グループは、2社のランキングを2004年から2013年までの10年分、計4万8000件の名前の読みと漢字を分析した結果、人気がある漢字を組み合わせた名前には、読み方が複数あり、こうした名前をつける傾向が増加していることがわかった。




 例えば、最新の2014年のランキングを見ると、人気のある漢字は、男子では「翔」「大」「太」が6年連続でトップ3入りしている。




 これらの漢字を組み合わせた名前のランキングで2位の「大翔」は、「はると」「ひろと」「やまと」「つばさ」…などとさまざまにあり、同じ漢字の組み合わせに対して複数の読みが与えられる傾向が年々増加していることが確認された。




 ほかにも「海」を「かい」や「うみ」ではなく「まりん」と読む英語読みや、「心」を「ここ」や「こ」と読む短縮読みなど、人気のある漢字に対して、一般的ではない読みを与える傾向が見られたという。




 研究グループは「一般的な名前をつける親の割合が減って、より個性的な名前を求める傾向が高くなっている。背景には、日本文化が個性をより重視する個人主義文化に変化していることのあらわれだ」として、今後は、こうした個性的な名前を与えることが、社会変化のなかでどう影響するのかどうか検証していくと話している。



引用元:
“翔”や“陽”…漢字を使ったキラキラネームは個人主義化の証(excite)