子どもがおむつを外す年齢が上がっています。祖父母世代からは「遅すぎるのでは」と孫を心配する声も聞こえます。どんなタイミングで、おむつを外す練習を始めたらいいのでしょうか。

 ■昔は1歳で取れた?

 「昔は1歳でおむつがとれることも珍しくなかった。最近は3歳前後が普通になっています」。神奈川県鎌倉市で5日にあったトイレトレーニングのセミナーで、講師の渡辺敦子さん(39)が説明した。親たちがおむつ外しの方法などを学ぶ、日本コミュニケーション育児協会認定の教室だ。

 参加者は、祖父母から「おむつを取るのが遅すぎる」と言われたり、すでにおむつが外れた他の子と比較したりして、悩んでいる人が少なくないという。

 日本小児保健協会の調査で、排尿のしつけをうけていない子の割合は、1980年度は1歳〜2歳未満で28%だった。2010年度は、72%に増えている。

 子供用おむつを販売するP&Gの調査では、昼夜のおむつが外れたのは、90年には平均2歳4カ月だったが、07年は平均3歳4カ月だった。

 子育て家庭のニーズを見込み、メーカー各社は成長しても使える大きなサイズのおむつを販売している。

 P&Gは2月、15〜28キロの体重の子を想定したおむつを再発売した。09年に発売した後、東日本大震災の影響で終了したが、要望を受けて、改良して再開したという。同社は「市場は今後も拡大する」と見る。花王も13年に15〜28キロのサイズを発売。ユニ・チャームも04年から、13〜25キロのサイズを販売している。各社とも「売れ行きは好調」という。

 おむつ外れが遅くなった理由について、ベネッセ教育総合研究所の真田美恵子主任研究員は「育児雑誌などを通して『子どもの発達を見ながら進め、焦らなくてよい』という情報が広まったためではないか。祖父母世代が使うことが多かった布おむつに比べ、紙おむつは親の手間がかからないため、おむつ外しを急がなくなった可能性もある」と話す。

 母子健康手帳の記述も変わっている。厚生労働省によると、80年は、1歳半ごろに「おむつをとろうとしていますか」という記述があった。現在は、2歳ごろに「少しずつ、おむつを取る練習を始めましょう」とする市区町村が多い。

 ■年齢よりも「3条件」

 では、どんな時期がおむつ外しに適しているのか。日本夜尿症学会の常任理事で、世田谷子どもクリニックの帆足英一名誉院長は「子どもが、自分で尿意を感じられるようになったタイミングで、外す練習を始めて」とアドバイスする。

 生まれたばかりの子どもは脳が未発達なので、膀胱(ぼうこう)におしっこがたまったことを感じることができない。1〜2歳半ごろにはわかるようになる場合が多いが、発達には個人差が大きい。

 このため、子どもの年齢ではなく、(1)歩ける(2)言葉をある程度理解し、数語は話せる(3)おしっこの間隔が1時間半〜2時間ほど空く、の三つがそろっていることが、尿意を感じられる目安になるという。


引用元:
おむつ外し 1990年の平均、2歳4カ月→07年、3歳4カ月(朝日新聞)