2015年10月1日米科学誌「Science」オンライン版に、ある日本の化学研究が大きく発表された。大阪大学微生物研究所が、マウスを使った実験で突き止めたのは、精子が正常に機能するのに欠かせない酵素の役割。この酵素の働きいかんで不妊にもなるという。

この新発見は、日本よりも欧米で関心が高いようで、「Elite Daily」はすぐに詳細記事を掲載。どうやら、彼らの興味は“男性用避妊薬”の急先鋒という見方が強いようだ。

精子の発達と運動性を抑制
不妊症究明に新たな一手

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「The Daily Beast」の報告によると、日本の研究者たちは、精巣に多く含まれるカルシニューリン(脱リン酸化酵素)という酵素を阻害することにより、精子の発達と運動性を抑制することを発見しました。この研究にあたった、大阪大学の微生物病研究所のチームは、カルシニューリンに含まれる「PPP3CC遺伝子」と「PPP3R2遺伝子」という2つのタンパク質に注目。雄マウスに対して、避妊薬としての役割を果たすことができるかどうかを調べました。

研究者たちは、マウスを操作してPPP3R2遺伝子を少なく、PPP3CC遺伝子を生成できないように抑制。雌のマウスをこれらの雄マウスと交尾させてみたところ、雌は妊娠はしなかったと、「Los Angeles Times」は伝えています。
このことから、雄マウスの生殖機能に衰えが生じることが判明。雄マウスの精子は、雌の卵子を取り囲む、透明帯と呼ばれる膜を貫通することができないことが実験から明らかになりました。研究者らは、精子に推進力を与える尻尾が柔軟に曲がらないことが、卵子まで到達できずに受精を困難にしている事実に至ったようです。

男性用ピル開発の急先鋒に?

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次のステップでは、PPP3CC遺伝子とPPP3R2遺伝子を含む酵素を阻害する目的で「シクロスポリンA」と「FK506」の2種類の薬を投与しました。シクロスポリンAおよびFK506は、臓器移植を受けた人が新しい臓器に対して、拒絶反応を起こさないようするために通常使用されるものとして知られています。
その結果、これらの薬を投与されたマウスは、2週間で生殖能力がなくなり不妊に。投与を中止したところ、1週間後には再び生殖機能が戻ったそうです。阪大研究チームは、報告書の中でこう記しています。
「マウスにおけるこれらの結果を考慮すると、精子の酵素を意図的に阻害することができれば、元の状態に戻ろうする作用を活かした、男性用の経口避妊薬となる可能性は十分にあります」
従来の男性用避妊薬といえば、精管への直接注射で投与される「Vasalgel」が注目されていました。しかし、今回の結果は新たな避妊法の確立とも言える大発見ではないでしょうか。
将来、男性用ピルになるかもしれないこの薬は、体を傷つけない非ホルモン性。いっぽうで女性用のピルは、ホルモンに対する影響など、副作用が生じる可能性が今も懸念されているからです。将来的な男性用のピルによって影響を受ける唯一のものは、精子だけのようです。


引用元:
男性用ピルも実現?大阪大学が新たに「精子のナゾ」を究明!(livedoor)