若い女性に多い「HER2」を持つタイプの乳がん

 「HER2」と呼ばれるタンパク質を持つタイプの乳がんに対して、抗がん剤の候補として検証が進む「ONT-380」と呼ばれる薬が有効である可能性があるようだ。

乳がんの「25%」
 米国コロラド大学がんセンターのバージニア・ボルゲス氏らの研究グループが、米国臨床腫瘍学会の年次総会において報告。同大学が5月に紹介したもの。

 研究グループは、生涯で乳がんを発症する人は、8人の女性がいたら1人となり、そのうち約25%の女性はHER2を多く作るタイプとなる。HER2を持つ乳がんは若い女性によく見られ、他の乳がんと比べて脳に転移することが多いという。

 新たに開発された薬であるONT-380はHER2に関係したプロセスを邪魔する働きがある。

脳転移も標的となる可能性
 研究グループは、2つの試験の結果を報告している。

 一つ目については、HER2を持つ乳がんで脳転移を伴っている8人を対象として、既存の薬であるトラスツズマブエムタンシン(一般名、商品名はカドシタン、TDM-1)にONT-380を組み合わせる治療の効果を検証している。ここから脳腫瘍のサイズが最初より50%以上縮小させる効果を確認している。

 さらに二つ目については、既に別の治療を尽くした8人を対象として、ONT-380にカペシタビン(一般名、商品名はゼローダ)とトラスツズマブの両方、あるいはいずれかを組み合わせた場合の効果も検証。4人で部分的に効果が表れたほか、2人はがんが安定した状態になり、2人では進行した。

 今も生き続けている女性がいる、と研究グループは説明。従来の治療でなかなか効果を上げられなかった人で有効な治療の選択肢となるのかもしれない。



引用元:
「ONT-380」別の治療を尽くした乳がんに有効(Medエッジ‎ )