精子が十分に動くための「スイッチ役」となる酵素を、大阪大などのグループがマウスを使った研究で突き止めた。この酵素の働きを抑えると、不妊になることも確かめた。男性用の避妊薬の開発につながる可能性があるという。2日、米科学誌サイエンス電子版に発表される。

 精子は尾を動かして卵子にたどり着き、受精するが、どんな仕組みで尾が動き始めるかは不明だった。

 大阪大微生物病研究所の伊川正人教授(生殖生物学)らは、「カルシニューリン」と呼ばれる酵素が、尾を動かすスイッチになっていることを発見。薬を使って、この酵素の働きを抑えると、精子の動きが鈍くなり、卵子の膜を突き破れず受精できなかった。薬を止めると動きは元に戻り、受精して生まれた子どもも正常だった。

 人間でも同様のスイッチの仕組みがあることから、男性用の避妊薬の開発や、不妊症の原因の解明につながる可能性がある。既存の酵素の働きを抑える薬は体中の免疫に影響するので避妊薬には使えない。伊川さんは「即効性のある経口避妊薬の開発につなげたい」と話している。(石倉徹也)



引用元:
男性用避妊薬へ可能性 精子の動き「スイッチ役」確認(朝日新聞‎)