【室蘭】日鋼記念病院(室蘭市新富町)は乳房にしこりができる前に、乳がんになる恐れのある微小な組織を調べて、がんを判別できる「マンモトーム生検専門外来」を開設した。入院する必要は無く、患者への負担が少ない上、乳がんの早期発見につなげるのが狙い。装置導入は西胆振で初めて。

 マンモトーム生検の装置は、マンモグラフィー(乳房エックス線撮影装置)で乳房内の病変の場所を確認しながら直径3ミリほどの針を差し入れ、針の側面にある吸引口でピンポイントで組織を採取する。針が360度回転するため、一度の検査で多数採取できる。患者は座ったままで行われ、入院の必要もない。傷痕は3ミリ程度で済むため、体への負担も少ないのが特徴。

 従来はマンモグラフィーで疑わしい病変があった場合、札幌の病院でマンモトーム生検を受けてもらうか、触診で乳房にしこりがあるケースは針を刺して組織を調べるなどしてがんを判別した。切開手術や複数回の検査が必要な場合もあり、患者負担も大きかった。

 マンモトーム生検について外科の本間友樹医師は「しこりになる前の早期に乳がん診断ができる。西胆振で検査を完結させられるので、多くの患者さんのために使っていきたい」と話す。

 診察は毎週月曜午後の予約制。マンモグラフィーでマンモトーム生検が必要と判断された人が対象。予約に関する問い合わせは同病院(電)0120・257・933へ。(芝垣なの香)


引用元:
室蘭・日鋼記念病院 乳がん発見へ新装置 負担少なく早期判別(北海道新聞)