前回、2013年の生殖補助医療の治療数が急増していることについてご紹介しました。今回は、この治療を受けている患者さんの年齢についてお話しします。

年齢に関しては2014年11月13日のコラムでもお伝えしましたが、この治療を受ける方の年齢が毎年高齢化しており、2012年では40歳以上でこの治療を受ける方が39.7%を占めていました。インターネットでデータを集め始めた2007年が31.2%であることから、この5年間で8.5%も増加したことになります。

今回2013年のデータを含めて、年齢別の治療数をグラフにしたのでこれをみてください。



データはいずれも日本産科婦人科学会倫理委員会の登録・調査小委員会報告から


治療数が年々増加するとともに、高齢者の割合も以前と同様の傾向が続き、ついに40歳以上の方の割合は2012年に比較すると1.4%増加し41.1%と40%を超えてしまいました。

生殖補助医療は、高齢だけが原因の不妊症には、それほど効果がありません。2015年7月30日の<53>コラムでも論文を引用し、お話ししましたが、卵巣刺激法+人工授精法とそれほど効果が大きく変わるわけではありません。

しかし、生殖補助医療では、どんな質の卵子が育つのかがわかります。卵子がきちんと受精しているか、受精卵がどのように発育するのかが、実際に目で見て評価できるので、より納得がいく治療法といえるかもしれません。

次に、2013年までの7年間の各年の治療開始数を分母として、出産まで至った治療数の割合を年齢別に解析したグラフをお示しします。





これからもわかるように、40歳以上の年齢では、この治療でもかなり厳しい結果であり、この7年間、ほとんど同じ成績となっています。

高齢に伴う、妊娠しやすさの低下は、体外受精などの生殖補助医療をもってしても、なかなか打開できないものです。不妊で悩まれておられる方には、私どもも最大限の努力をもって治療に頑張りますが、みなさんにおかれても、もし将来家庭を持つことを考えておられるようでしたら、妊娠・出産・育児には適齢期があることを若いうちから理解されて、自分のライフプランを早めに設計していただきたいと思います。


引用元:
生殖補助医療患者の高齢化(アピタル)