不妊症とは「定期的な性生活を送り、とくに避妊などをしていないのに2年以上妊娠しない場合」と日本産科婦人科学会では定義しています。健康な男女が結婚して通常の性生活を営んでいる場合、1年以内に約80%、2年以内では約90%が妊娠しているとの結果が出ています。つまり、夫婦の10組に1組が不妊症に悩んでいるということになります。

現在不妊でお悩みのご夫婦、は将来子どもが生まれても「子供に不妊症が遺伝するのではないか」という不安があるのではないでしょうか?

以前までは、「不妊症=子供がもてない」ため、遺伝するのかどうか考えようもない状態でした。しかし現在では、人工授精、体外受精などの顕微授精が発達し、重度の不妊症の方でも子供が持てる状態になったため、不妊症は遺伝するのかどうか、ということが考えられるようになったのです。

男性不妊は遺伝する可能性がある!?
不妊は、女性が原因、男性が原因でもなります。遺伝するのかどうかという観点においては、今のところ、男性が原因の不妊に関しては遺伝する可能性が指摘されています。

遺伝子検査が進歩して、従来の染色体検査では見つけられなかった遺伝子異常が診断できるようになった結果、無精子症や高度の乏精子症の患者さんの10〜15%では、ごくわずかにY染色体の一部が欠けていることが明らかになりました。この遺伝子異常の方の精巣から精子を取って、顕微授精をすることも可能な場合がありますが、その精子で男の子を授かられるとお父さんと同じように不妊症になる可能性が大きいのです。

また、2014年1月に精子無力症を引き起こす遺伝子が見つかっていることからも、男性が原因の不妊は遺伝する可能性はあるものと考えられます。

必ず遺伝するわけではない!
「男性側に不妊症の原因がある=子供に遺伝する」わけではなく、あくまでその可能性があるという段階で、必ず遺伝するというわけではありません。もし、男性側に不妊の原因があって、染色体や遺伝子に異常が認められた場合には、カウンセリングを受けるのがよいでしょう。

引用元:
子どもが欲しい…親の不妊症は、子どもにも遺伝する?(アメーバニュース)