米カリフォルニア大学バークレイ校公衆衛生大学院のガートルード・ケース・ベーリング教授(ウイルス学)らは、女性239人の乳腺組織を調べた結果、乳がんの場合は牛白血病ウイルス(BLV)に感染しているケースが3倍多かったと、9月2日発行の米科学誌「プロス・ワン」(電子版)に報告した。牛白血病ウイルスは牛乳の中にもあるウイルスで、低温殺菌すると感染できなくなるという。現時点で両者の因果関係は不明だが、ベーリング教授らは「人に移った経路などの検討が必要」としている。
「家族歴や生活習慣に並ぶ関係性の強さ」
牛白血病ウイルスは白血病を引き起こすほか、乳腺細胞にも感染し、牛乳の中にも見られることがある。ただし、低温殺菌によりウイルスの感染する能力は消えるといわれている。ベーリング教授は、欧米諸国では母乳よりも牛乳を多く消費することから、牛白血病ウイルスに着目。昨年には、人の体内で初めて牛白血病ウイルスを確認したと報告している(「Emerging Infectious Diseases」2014; 20: 772-782)。
ベーリング教授らは今回、米国の乳がんと乳がんでない女性計239人分の乳腺組織を分析。乳腺の細胞にある牛白血病ウイルスを調べたところ、乳がんでない人に比べ、乳がん患者では乳腺組織に牛白血病ウイルスがある割合が3倍多いことが分かった。
ベーリング教授らは、今回の調査で乳がんの人で高い牛白血病ウイルス保有率が確認されたと結論。関係性の強さでは、家族歴や生活習慣などこれまでに指摘されている乳がんの危険因子に劣らないとの見方を示した。また今後、もし牛白血病ウイルスが人の乳がんの原因であることが証明されれば、現在の乳がん予防の枠組みが変わる可能性があると話している。
引用元:
牛乳が乳がんの原因に? 牛白血病ウイルスが関連か―米研究(kenko 100)