千葉県柏市にある民間学童施設「学研キャンパス ココファン柏豊四季台」で9月上旬。夕闇迫る中、運営する佐々木洋希(ひろき)さん(35)は教室ではしゃぐ小学生たちにスマートフォン(スマホ)を向けて、次々に写真を撮った。撮影したデータは「ウェルノートスクール」という会員制のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿する。ITベンチャー、ウェルスタイル(東京都渋谷区)が開発したサービスで、親のスマホに通知が届き、子どもの様子を確認できる。
登録できるのは児童の保護者に限られる。施設が送る写真はおやつや外出した際の様子など1日に10枚程度。この他に動画を送ることもあり、「パズルに挑戦中」などと簡単なタイトルも付けられる。保護者は無料だ。
佐々木さんは「これまでは月に1回、広報紙を作るほか、ブログも書いていたが、手間もかかるし、リアルタイムではない。これなら運営側も簡単で、親も出先で手軽に見られ、好評です」と話す。高学年の児童は、友人と一緒だと家で見せないような笑顔になるときもあるという。
また、園の記録としても保存できる。小学3年の娘を預けている母親(41)は「離れていても安心だし、帰宅後、送られてきた画像を子どもたちも見て楽しんでいた。このようなサービスがあって良かった」と満足げだ。
ウェルスタイルの谷生(たにお)芳彦社長は「遠くで子どもの様子が分かれば、親も安心して仕事ができる。家族だけしか見られないので、ほかのSNSに比べてプライバシーにも配慮している」と話す。同社は今年4月にサービスを本格的に始め、保育園や塾などに販売している。
●体調伝える腕時計
NTTドコモの腕時計型端末「ドコッチ01」=同社提供
NTTドコモの腕時計型端末「ドコッチ01」=同社提供
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NTTドコモは子ども用の腕時計型端末「ドコッチ01」を4月に発売した。内蔵のセンサーによって子どもの様子が「元気に運動中」「安静状態」など4段階で分かるほか、居場所の温度、湿度なども分かる。長い間、暑い場所で遊んでいると、「休むように教えてあげてください」などの情報もくる。時計の機能もついている。
通話はできないが、「いまからかえる」「むかえにきて」など簡単な文面のメールをやりとりできる。さらに、緊急時にはボタンを長押しすると、あらかじめ登録した両親のスマホやパソコンにSOSが即座に通知される。また、遊園地やショッピングモールなどで迷子にならないよう、数十メートル以上離れたら、親のスマホに警告を出す機能も付いている。
ドコモの別のサービス「イマドコサーチ」を契約すると、GPS(全地球測位システム)で現在の居場所の確認も可能。GPS機能はドコモのスマホのみだが、簡単な文面のメールのやり取りは他社の端末ともできる。
ドコモの村山啓二郎スマートホーム事業推進担当部長は「携帯電話を持たせるにはまだ早い未就学児や低学年の子のいる保護者のニーズに応えた。子どもからすると腕時計は格好良くみえるし、外で忘れたり無くしたりする心配も少ない」と腕時計型にした理由を説明する。軽量、防水、防じんなど、遊びに行っても平気なよう工夫をした。
端末はオープン価格だが、ドコモのオンラインショップで買うと、買い替えは1万3608円、新規契約の場合は8424円になる。利用料金はドコモのスマホ利用者なら月842円、「イマドコサーチ」は同216円。ドコモ以外のスマホでは割高になる。
●駅改札からメール
交通機関でも見守りサービスを行っているところがある。東急セキュリティは東急線の駅自動改札や東急バスの運賃機にIC乗車券「PASMO(パスモ)」をタッチすると、保護者にメールで通知する「エキッズ」のサービスを実施中。さらに、関西地区で同種サービスを行っていた阪神電鉄と提携して、ICタグを持った子どもが校門を通過するとメールが送られる「ミマモルメ」というサービスを東京都や神奈川県の公立小学校など36校で展開している。阪神電鉄の分を含めると約650校で導入されている。「エキッズ」は月額540円、「ミマモルメ」は初期登録料2572円で利用料が年額5184円。
地域での取り組みも。東京都小平市は2008年、市内の小学校にICカードの読み取り装置を設置した。希望者にICカードを持たせ、登下校時にタッチをすることで、子どもが学校に無事着いたかどうか、分かるようになっている。メールも配信でき、「運動会が雨で中止になった」「不審者が現れた」などの情報も一斉に流せる。
市教委によると登下校の確認システムは月額250円で、約半数の保護者が利用。メール連絡は無料のため、96%の保護者が利用している。
総務省は09年に「児童見守りシステム導入の手引書」を作成し、小平市はそのモデル事業として行われた。導入から時間が経過したため、子どもたちも慣れて、タッチを忘れることなどはなくなった。
同市立小平第十四小の村松守夫校長は「学校にきているかどうかチェックできるので、保護者は安心感を得られる。万が一のときにも、学校にいるかどうかが分かれば動きやすい。保護者とメールだけでもつながっているのは大きい」と説明、低学年の保護者のほうがニーズが高いという。また、利用率を向上させるために料金引き下げなども検討していく。【柴沼均】
引用元:
くらしナビ・子育て・親子:IT活用、いつでも見守り(毎日新聞)