高い治療費がかかる特定不妊治療=キーワード=の助成額が10月から上がる。大分県や市町村は、不妊をめぐる経済的負担の軽減とともに、妊娠や出産に関する知識の普及にも力を入れている。
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拡大妊娠への理解を深める助産師会の出前講座=大分県提供
大分市のセラピスト女性(42)は、2012年春から不妊治療中だ。38歳で結婚し、人工授精と体外受精を5回ずつ試みた。かかった費用は300万円超。「金銭的にもきつい」と43歳を区切りに諦めようと思っている。
特定不妊治療は保険が適用されず、経済的負担は重い。県健康対策課によると、治療は、採卵を伴うと1回平均で「新鮮胚(はい)移植」が約43万円、「凍結胚移植」が約56万円かかる。
現在は、国の制度で新鮮、凍結胚移植とも1回15万円を助成し、市町村が独自に国の助成分に上乗せする。大分市の場合、いずれの移植も5万円を出している。それでも自己負担は平均4〜6割と重い。しかも、市町村の助成額は自治体ごとに違う。
10月からは、県も独自の助成を新設し、市町村の助成と合わせて県下の助成額をそろえる。国、県、市町村分の助成総額の上限は新鮮胚が30万円、凍結胚が39万円に。自己負担は平均3割程度に下がるという。ただ、所得制限と年齢制限(来年4月以降)がある。
昨年度、国の助成窓口だった県への申請者の平均年齢は37・4歳。担当者は「経済的にゆとりのない若い夫婦に、活用してもらいたい」と話す。
県は2080年の県内人口を約93万5千人に減ると想定する。広瀬勝貞知事は助成拡充の表明時に「少しでもお子さんの出生数が増えるとありがたい」と期待する。4月に助成を始めた兵庫県の担当者も、「出生数を増やす人口減少対策の一つ」と話す。
県が力を入れるもう一つが、妊娠に関する知識だ。
日本産科婦人科学会の13年の調査によると、妊娠率は20代後半から低下し、流産率は30代から高まるとされる。だが、あまり知られていない。不妊治療中のセラピストの女性も「若い頃、結婚したら授かると思っていた」と振り返る。
妊娠の適齢期を知ってもらおうと、県は13年から企業や学校で助産師会による「出前講座」をスタート。国も8月、高校向けの保健体育の副教材を刷新し、妊娠率が下がる年齢を初めて紹介している。
引用元:
不妊治療の助成拡充 来月から自己負担3割程度に(朝日新聞)