「育休退園」をめぐる保育園児の保護者と所沢市との法廷闘争が16日、始まった。4月の運用開始以降、すでに33人の園児が退園している。さいたま地裁で開かれた第1回口頭弁論で、意見陳述に立った原告の母親は「早く以前の制度にしてほしい」と涙ぐみながら運用の撤回を求めた。市側は争う姿勢だ。
訴えたのは、市内の保育園に通う0〜2歳児の保護者13人。訴状によると、母親が出産し育児休業に入った場合、保育園に通う0〜2歳児を原則退園とした所沢市の新たな運用は違法だとして、育休取得後も退園させないよう求めている。
この日、被告の市側は、子どもや母親に病気があったり、双子だったりして市が引き続き保育が必要だと認めた場合は在園を継続できると主張。「育休即退園ではない」と請求の却下を求め、争う姿勢をみせた。
公判後の会見で、原告側は、市に在園の継続申請を出して「不可」の通知が出た後、市福祉事務所からも「(保育の)解除通知」が二重で来たことを紹介。「制度をしっかり設計しないで導入したために混乱を招いている」とあらためて市の新運用を批判した。
4月の導入以降、退園を余儀なくされた園児は33人に膨らんでいる。
原告の人数は当初は17人だったが、このうち3人が在園の継続を認められて原告団を離れた一方、8月には原告1人の園児の在園が「継続不可」となり、今回の提訴とは別に、退園処分の取り消しを求め提訴。市の判断によって原告団が「分断」される事態になっている。原告団はこうした訴訟合戦を「特殊」と表現した。
意見陳述した母親(37)は「大人の都合で子どもたちの生活が変わってしまうのはかわいそう。以前の制度に早く戻してほしい」と訴えた。
これに対し、藤本正人市長は8月の会見で、提訴をめぐる状況について「1年経って育休が終わったときに、『この時子どもと一緒に居てよかった。安心して子育てができて仕事に就ける』とたぶん思ってくれると思う」と述べ、制度への理解を求めていく考えを強調した。
引用元:
33人退園「元の制度に」 所沢育休退園訴訟、市は争う姿勢(朝日新聞)