乳幼児の応急手当ての方法を知ってもらおうと、松山市消防局は14日から、救命講習の参加を促す「命を守るスタンプカード」を母子健康手帳の交付時に一緒に配布する試みを始めた。乳児の心肺停止状態の救命現場を経験した女性救急隊員が発案。「講習を通じて命の尊さを伝えたい」との思いが込められている。

 スタンプカードは1歳6カ月児健診までと、その後の3歳児健診までの2枚つづり。表面には市消防局が開く「パパ・ママ救命講習」(妊産婦の夫婦対象)や「乳幼児を持つ親のための救命講習」などと書かれており、参加するとそれぞれの場所にスタンプを押してもらえる。集めたスタンプの数に応じてプレゼントをもらえるという。裏面では乳幼児の心肺蘇生法をイラストで紹介している。

 カードの素案を考えたのは、西消防署の消防士、宮浦織(しき)さん(26)。以前、乳児の男の子が心肺停止状態になった現場に出動した。その際、親は119番通報した電話で指示を受けながら男児の胸を必死に押したが、助からなかった。宮浦さんにも小さな息子がいる。「乳児向けの心肺蘇生法があることを知らず、何もできなかった」と、泣き崩れる親の姿が忘れられなかったという。



引用元:
愛媛)乳幼児の救命講習受けて 松山市消防局(朝日新聞)