保険が適用されない体外受精などの不妊治療を対象に、国と地方自治体が治療費の一部を負担する「特定不妊治療費」の助成制度で、札幌市への申請が増え続けている。2015年度は4〜7月の4カ月間で、前年度同期比約2割増の636件の申請があり、年間件数が初めて2千件を超える見通しだ。16年度から43歳以上が助成の対象外となるなど、国の制度改正が影響しているとみられる。
特定不妊治療費に対する市の助成制度は05年度に始まった。体外受精や、精子1個を卵子の内部に送り込む「顕微授精」などを対象に、国と市が治療費の一部を助成する。1回当たりの助成額は上限15万円。
市によると、05年度に283件だった助成申請件数は右肩上がりで増加しており、10年度に千件を突破。14年度は1928件と、9年連続で過去最高を更新した。15年度は毎月、前年度同月を2割程度上回るペースで推移しており、市は「増加は今後も続く」と分析。2千件突破を確実視している。
申請件数が増加した背景には、14年度に始まった助成制度の改正があるとみられる。不妊治療は年齢に伴って成功率が低下することから、厚生労働省は助成を受けられる通算回数を年齢別で制限。16年度からは43歳以上を助成の対象外とした。
新制度に移行後、市への申請は35歳以上が急激に増加。14年度の35〜44歳の申請件数は1432件で、前年度比で倍増した。本年度も35歳以上が7割以上を占める。市は「助成対象が42歳までという制限が設けられたことで、急いで申請しようと考える人が増えた」とみている。
不妊治療を専門とする神谷レディースクリニック(中央区)の神谷博文理事長は「不妊治療の費用は高額なため、2人目以降の妊娠を諦める人も出てくるだろう」と、新制度に対する影響を指摘。ただ、「年齢とともに妊娠率が低下するのは事実。制度を上手に活用し、早めに専門医の受診を」と呼び掛けている。(根岸寛子)
引用元:
不妊治療助成の申請急増 札幌 4〜7月2割増、年間2千件超も(どうしんウェブ)